日本酒の種類とは「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」の違いを解説!

日本酒の種類とは「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」の違いを解説!

日本酒の種類とは「吟醸酒」「純米酒」「本醸造酒」の違いを解説!

和食にはもちろん、時には洋食や中華にも合わせやすい日本酒。古くから日本独自の製法で造られてきた、日本を代表する醸造酒です。冷でも熱燗でも楽しめ、その飲み口はキリッと辛口だったり、優しい甘みを感じられたりと、味の幅も広く大変奥深い世界です。

しかし、吟醸酒、純米酒、本醸造酒……など種類も用語も多いので、どれを選んだらいいか迷ってしまうこともあるでしょう。今回は、日本酒専門メディアが日本酒の種類や用語について徹底解説します!
ぜひ本文を参考に、今の気分にぴったりな日本酒を選んでみてください。

そもそも日本酒とは?

日本酒とは、通常「米、米麹、水」を主な原料とする清酒のことを指します。蒸した白米に麹と水を加え、発酵させる、という工程が、大まかな製造方法です。

日本独自の製法で造られた酒で、アルコールのジャンルとしては、ワインやビール同様、醸造酒(原料をアルコール発酵させて造られる酒)に分類されます。日本酒のはじまりは縄文時代~弥生時代までさかのぼり、とても歴史の深いお酒です。

日本酒=清酒と思われがちですが、厳密に言うと違います。日本の酒税法による定義では、清酒とは、下記の要件を満たした酒類です。

  • アルコール度数22度未満
  • 米、米こうじ、水を原料として発酵させ、濾したもの
  • 米、米麹、水また清酒かすや、その他政令で定める物品を原料として発酵させ、濾したもの

清酒は日本酒の中の一つであり、「濾されている」という点がポイント。清酒の製造過程において、米、米こうじ、水を原料として発酵させたものを「もろみ」と呼びます。このもろみを濾して、清酒と酒粕の二つに分けることで、清酒になります。上記の条件を満たさない日本酒としては、どぶろくなどの濾されていない酒が挙げられ、これらは清酒とは呼ばれません。

日本酒の種類としては、原材料や製造方法の違いなどから、大きく3種類に分けられ、そこからさらに細かく、8種類に分別されます。以下でその違いについて、解説します。

日本酒の種類ごとの違いとは?

日本酒の種類は、原料、精米歩合、醸造アルコールが使用されているか否かの違いによって決まります。それぞれ下記にて詳しく説明していきます。

原料

日本酒は基本的に米、米麹、水を原料としています。この3つの原料のみで作られた日本酒を純米酒といいます。純米酒は昨今の日本酒のジャンルの中で、とても人気が高まっているお酒です。米の持つ甘みやコク、旨味など、米本来の味を感じやすいので、食事にも合わせやすいという特徴があります。

これに対して本醸造酒と、吟醸酒の一部は米、米麹、水の3つの原料に、さらに醸造アルコールが加えられています。醸造アルコールは、純度の高いアルコールのことを指し、主にサトウキビを原料として発酵させて造られます。サトウキビ自体の味はほぼなく、すっきりとした味わいです。

醸造アルコールを加えることにより、日本酒の味をキリッと引き締め、香りをさらに高める効果があり、日本酒の味や香りのバリエーションをつけるために用いられています。

精米歩合

精米歩合とは、米の精米の程度を表す比率です。普段私たちがご飯として炊いて食べている米も、もともと玄米の状態から精米されたものです。この精米を経て残った米の割合を%で示したものが、精米歩合と呼ばれます。

日本酒の原料となる酒米は、食用の米と比較すると、よりいっそう磨かれた状態で使用されます。たとえば食用米の精米歩合は約90%程度ですが、日本酒に使われる米の精米歩合は、一般的に50〜70%程度と少なくなります。

たくさん磨く理由としては、米の表層部分の雑味に由来します。米の表層部分のたんぱく質、脂質、でんぷんなどの栄養素が日本酒に入りすぎると、雑味が残り、香りの良さが失われてしまうためです。

大吟醸酒になると、磨かれた結果、使われるのは元の米の半分程度となり、たいへん贅沢なお酒です。一般的に精米歩合は高ければ高いほど華やかで、香りのいい日本酒ができあがるといわれています。 

精米歩合によって香りが変化する理由としては、米に含有される脂質の量が挙げられます。脂質は、香り成分を抑えてしまう働きをするため、米の表層部分に存在する脂質を多く磨いて削り取るほど、もともとの米の持つ香りが守られるというわけです。そのために表層から、50%ほど磨くとよいとされています。

精米歩合はまた、香りと同時に、日本酒の味わいにも影響を及ぼします。味わいが変わる原因としては、米の表層の栄養素の量に由来します。表層にある栄養素は、多すぎれば雑味の素になりますが、適量であれば旨味の素になるのです。

一般的には、より多く磨いた日本酒は、雑味がなく爽やかでクリアな味わいに仕上がります。たとえば、精米歩合50%の大吟醸酒は、味わいのコクよりも、品のある高い香りを重視した日本酒といえるでしょう。

反対に精米歩合が低い日本酒は、深いコクのある芳醇な味わいを楽しめます。精米歩合70%の純米酒であれば、香りは抑えめですが、米の旨味をダイレクトに感じられるお酒が多くなります。

醸造アルコール

醸造アルコールとは、普通酒、吟醸酒、本醸造酒、を造る際に加えられる、純度の高いアルコールです。吟醸酒と本醸造酒に添加できる量は、白米全体の量に対して10%以下と定められています。

醸造アルコールを添加することで、軽やかな味わいや、日本酒の風味を引き立たせる効果があります。醸造アルコールを添加できる日本酒の種類としては、本醸造酒と吟醸酒、普通酒の3つです。

本醸造酒と吟醸酒は、さらに特別本醸造酒と大吟醸酒に分けることができるので、合計5種類に醸造アルコールが入っています。5種類の中で唯一「普通酒」だけは、醸造アルコールの使用割合が白米の総重量の10%以上のものもありますが、他は10%未満なのが特徴です。

日本酒の種類(分類)は大きく分けて3つ!

日本酒は大きく分けると、純米酒、本醸造酒、吟醸酒の3つに分類されます。以下では、その違いについて詳しく解説します。

純米酒

米と米麹、水のみで造られた日本酒です。米本来の甘みや旨味が感じられ、深いコクがあります。

醸造アルコールが含まれていないので、まろやかな風味で、食事にも合わせやすいという特徴があります。

本醸造酒

米、米麹、水、醸造アルコールを原料とする日本酒です。精米歩合は70%以下で、醸造アルコールを加えることで、バランスの整った味わいになり、爽やかな口あたりになっています。

吟醸酒

米、米麹、水、醸造アルコールを原料とする日本酒です。精米歩合は60%以下で、吟醸造りを施す(よく磨いた米を長期低温発酵させる)などの条件を満たしています。特徴的なフルーティで華やかな香りは、吟醸香と呼ばれます。

日本酒は細かく分けると8種類ある!

日本酒の全8種類を表にまとめると、以下の通りです。

原料 精米歩合 醸造アルコール
純米酒 米、米麹、水 なし
特別純米酒 米、米麹、水 60%以下 なし
本醸造酒 米、米麹、水、酒造アルコール 70%以下 あり
特別本醸造酒 米、米麹、水、酒造アルコール 60%以下 あり
吟醸酒 米、米麹、水、酒造アルコール 60%以下 あり
大吟醸酒 米、米麹、水、酒造アルコール 50%以下 あり
純米吟醸酒 米、米麹、水 60%以下 なし
純米大吟醸酒 米、米麹、水 50%以下 なし

 

純米酒

米と米麹、水のみで造られた日本酒。
米本来の味わいを感じやすく、食事にも合わせやすい日本酒として、昨今の日本酒人気を牽引する種類の一つです。

特別純米酒

精米歩合が60%以下、または特別な醸造方法で製造されている純米酒です。
特別な醸造方法は、その旨ラベルに記載する必要があります。色合いや香りなど、各酒蔵や醸造メーカーのこだわりがつまった日本酒です。
 

本醸造酒

米、米麹、水、醸造アルコールを原料とする日本酒。
精米歩合は70%以下で、醸造アルコールを加えることで、バランスの取れた味わいと、スッキリとした飲み口に仕上げています。

特別本醸造酒

精米歩合が60%以下、または特別な醸造方法が採用された本醸造酒。
よく磨かれている点と、特別な醸造方法によって、一般的な本醸造酒より繊細な味わいです。

吟醸酒

米、米麹、水、醸造アルコールが原料で、精米歩合は60%以下の日本酒。
よく磨いた米を長期低温発酵させる「吟醸造り」を施すなどの要件を満たした日本酒です。「吟醸香」と呼ばれる、フルーティで華やかな香りが特徴的です。
 

大吟醸酒

原料や製法は吟醸酒と同様ですが、精米歩合は50%以下の日本酒。米を半分以上磨き上げるため、香りの良さが魅力です。

純米吟醸酒

米、米麹、水を原料とする純米酒で、精米歩合は60%以下です。
吟醸酒と同様、よく磨かれた米を、長期間低温で発酵させる吟醸造りが施されています。香りが比較的マイルドな、味吟醸の日本酒の多くが該当します。
 

純米大吟醸酒

原料や吟醸造りが施されている点は純米吟醸酒と同様です。
しかし、精米歩合が50%以下になります。米の旨味に加え、華やかな吟醸香の2つが楽しめる日本酒です。

日本酒は火入れによっても違いが出る

火入れとは、日本酒に加熱処理を施すことです。火入れをする理由は、日本酒の品質や味わいを一定に保持するためです。搾りたての日本酒は、まだ中に酵母が残っている状態のため、発酵を続けます。

火入れの処理を行わないと、最適なタイミングで日本酒を搾っても、徐々に味わいが損なわれてしまいます。
火入れによって酵母の発酵を止め、ベストな品質を保つ意味があります。また、雑菌の繁殖により日本酒が腐敗するのを防ぐ目的もあります。

通常日本酒への火入れは2度行われます。1度目は、もろみを搾り、ろ濾した直後に行います。
その後、数カ月に渡り酒蔵で貯蔵する間の品質の悪化を防ぐべく、火入れによって酵母の発酵と雑菌の繁殖を止めておくのです。2度目は、日本酒を、瓶詰めする時に行なわれます。出荷前の、再度の加熱処理により、流通・保管される間の品質を一定に保ちます。

生酒(なまざけ)

火入れを行わず、生の状態で出荷される日本酒です。みずみずしい味わいと、新鮮な飲み口が魅力です。

生詰酒(なまづめしゅ)

通常は貯蔵前と出荷前の2度行う火入れですが、これを貯蔵前のみ行う場合の日本酒を生詰酒と呼びます。
新鮮な味わいと、マイルドな口あたりが魅力です。秋に出回る「秋あがり」や「ひやおろし」も、生詰の日本酒として有名です。

生貯蔵酒

貯蔵する時は生のままで、出荷前に1度だけ火入れを行うのが生貯蔵酒。
しぼりたての風味はそのままで、1度火入れを行っているため生酒よりも品質が安定します。

火入れ酒

火入れ酒とは、製造後と出荷前に2回火入れされる日本酒です。生酒や、生詰酒、生貯蔵酒とは違い、通常は2回火入れの処理がされている、火入れ酒が一般的です。火入れ酒は生タイプのようなフレッシュさは失われますが、酸味が取れマイルドでまろやかな甘みのある味わいが魅力です。

2度の火入れ処理が行われることによって殺菌処理も施され、品質も安定しているため、長く保管できます。火入れされることにより、常温保存も可能になり、熟成させてから飲む楽しみもあります。

しかし、火入れ酒は常温保存可能とはいえ、保管場所は直射日光が当たる場所や極度に高温になる場所や避けましょう。なるべく温度変化が少なく、直射日光や紫外線が当たらない場所での保管がおすすめです。

たとえば冷蔵庫などの低温の場所で保管をすると、熟成がゆっくり進み、優しくて繊細な味わいになります。対する常温保管では冷蔵よりも少し熟成のスピードが速く、しっかりとした味わい深い日本酒になります。

日本酒は貯蔵期間によっても違いが出る

新鮮なうちに飲みきる、というイメージの強い日本酒ですが、数年熟成させた古酒と呼ばれるものもあります。古酒とは、どのようなお酒のことを指すのでしょうか。以下では新酒と合わせて長期熟成された古酒について解説します。

新種

その年に収穫された新米で造られ、完成後すぐに出荷される日本酒です。
しぼりたてとも呼ばれ、長期の貯蔵を経ていないため、爽やかでスッキリとした味わいが魅力です。

古酒(長期熟成酒)

酒蔵にて3年以上熟成させた日本酒。熟成期間は各銘柄により、異なります。
エレガントな香りや甘さ、色味、酸味・苦味などが複雑に絡み合った深い味わいを感じられる日本酒です。

日本酒の種類まとめ

日本酒の基礎知識について解説してきました。はじめはたくさんの種類があるように感じられますが、実は全部で8種類。そしてその大元は3種類なので、それぞれの特徴を知った上で、選べるようになると、よりいっそう日本酒を身近に感じられるようになるでしょう。本文を参考に、ぜひ奥深い日本酒の世界を味わってみてださい。

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