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日本酒ガール
山田錦ってなんで「酒米の王様」って呼ばれてるの?どんな味わい?どんな銘柄があるの?
日本酒を飲んでいると、ラベルに「山田錦」という文字を見かけたことはありませんか?
山田錦とは、最高との評価を受ける酒米の1つで、質、量、知名度において圧倒的にナンバーワンの酒米です。
今回は、そんな酒米の王様「山田錦」について、ご紹介します!
美味しい日本酒編集部
こんにちは!「美味しい日本酒」編集部です。さて今回は「山田錦」特集!それではさっそくいきましょう!
主要どころの酒米については以下のページでまとめています。
日本酒の酒米の品種!これでばっちり!代表的な酒米5種を紹介!
Contents
日本酒で使われる酒米とは
酒米とは、日本酒を造るときに使用する米のことです。なかでも、特に酒造りに適した米は「酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)」と呼ばれます。
日本酒造りには、酒造好適米だけでなく、普段私たちが炊いて食べる食用米を使うこともあります。この場合、食用米も酒米にあたりますが、本記事では酒造好適米を“酒米”として解説していきます。
酒米の大きな特徴は、食用米に比べ心白(しんぱく)が大きいことです。心白とは、米の中心に見られる白色不透明な部分のこと。やわらかく吸水性に優れ、麹菌の菌糸が入りやすいという特性があります。
心白の形や大きさは、酒米によりさまざまです。丸く大きな心白を持つ酒米もあれば、薄い心白が現れる酒米もあります。
山田錦とは一体どんな酒米?
山田錦について
山田錦について簡単に説明すると、
- 生産量、実力、知名度とも文句なしのNo1。
- しっかりとしたボディを持つ味わいが特徴。吟醸酒に向いている。
“酒米の王様と呼ばれて久しい「山田錦」は、1936年に品種登録されて以降、100種類ほどある酒米(酒造好適米)のなかでも、別格の存在として扱われてきました。
酒米の特徴
酒米と王者と呼ばれる所以は、以下の理由にありました。
- 重さが27g-28gと大粒のため、高い精米に耐えられる
- 雑味の元であるタンパク質が少なく理想的な酒米
- 心拍が程よい大きさで、柔らかく麹が作りやすい
- 味のバランス、安定性が高いため安心して酒造りを行える
山田錦の栽培の特徴
酒造りには扱いやすい山田錦だが、栽培が難しいのが山田錦の特徴です。
背丈は130cmと高く、倒れやすく、病気にも弱いことから農家泣かせの栽培困難な酒米。
栽培に適している土地は、穏やかな気候に加え、土壌の水はけが良く、豊富な栄養分を含んでいることが条件となっています。
山田錦の産地
全国で作られている山田錦ですが、その生産量の8割を占めるのが兵庫県で、岡山が生産量第2位、山口県第3位と続きます。
兵庫県
兵庫県は、山田錦の生産量第1位の地域です。なかでも、六甲山西部の三木市(吉川・口吉川)や加東市(東条町・社町東部)は、最高品質の山田錦が栽培される「特A地区」と呼ばれています。
これらの地域は、昼夜の気温差が大きく日当たりが良いなど、山田錦の栽培に適した条件が揃っています。リンやマグネシウムなど、栄養素を豊富に含む水はけの良い土壌も質の良い稲が育つ条件のひとつです。
山口県
山口県萩市の阿武町では、寒暖差のある温暖な気候を活かして山田錦が栽培されています。農家と酒蔵が協力し、山田錦の栽培から醸造まで一貫した体制を構築。萩阿武産日本酒のブランド力の強化と、山田錦の生産拡大を目的とした取り組みがおこなわれています。
また、山口県の酒蔵「貴(たか)」は、自らが山田錦を栽培。米が生まれる風土そのものを大切にした日本酒を製造しています。
栃木県
栃木県は、「獺祭(だっさい)」を造る旭酒造との契約をきっかけに、生産量が大幅にアップした地域です。2019年から開催されている旭酒造主催の酒米コンテスト「最高を越える山田錦プロジェクト 」では、栃木県の山田錦がグランプリを受賞。
以来、栃木県産山田錦の品質は高く評価され、「獺祭」では栃木県産山田錦のみを使用した銘柄も誕生しています。
佐賀県
佐賀県佐賀市三瀬村では、2018年より山田錦の試験栽培を実施。2020年には、三瀬村の山田錦を使った日本酒が、フランスの清酒コンクール「Kura Master」でプラチナ賞を受賞しました。
また、嬉野市の酒蔵「東長(あずまちょう)」では自社田で山田錦を栽培し、自ら精米した米を酒造りに使用しています。
山田錦で造った日本酒の味わい
山田錦を原料にした日本酒は、香りがよく繊細なまろやかさを持った、コクのあるお酒になる傾向があります。
雑味となるタンパク質が少ないため、「甘・辛・酸・苦・渋」の5味のバランスが良く、上品にまとめる酒質。
また熟成させるとさらに旨味がのって深みを増します。
山田錦の歴史
さて、ここからは山田錦の歴史を振り返りましょう!
- 明治期山田錦-誕生前
明治期に兵庫県で主に栽培されていた酒米は「山田錦」の母である「山田穂」でした。「山田穂」は酒造りに向くが、背丈が高すぎて倒れやすく、農家泣かせだった。
- 1923年山田錦誕生「山田穂」を母に、背丈の低い「短稈渡船」を父に、技術総合センターの全身である県立農事試験場で1923年に交配され、その後育成され、1936年に「山田錦」と命名された。
- 全国へ普及するが...
兵庫県の推奨品種となり、その品質のよさから全国へ拡大するが、戦争が始まり、食用米生産へのシフトで一時期縮小する。
- 手順4酒米の王者へと
一時は生産量が下がったものの、徐々に復活し、2001年にはそれまでNO1だった五百万石を抜いて、酒米王者へ成り上がる。
年々栽培地を拡大し、現在、東北から九州まで33府県で作付けをしている。
山田錦の系統図
渡船は「雄町」との異名同種との説が有力で、祖先には人気が高い酒米「雄町」のDNAも受け継ぐ。
さてここから、山田錦で醸した日本酒の銘柄をご紹介!!
山田錦の日本酒5選
獺祭 純米大吟醸45
日本酒をあまり飲まない方であっても知っているほど有名な「獺祭」は山田錦を100%使っていることでも有名です。
獺祭の人気が高まるに連れて、生産の難しい「山田錦」は酒米不足に陥りました。そこで、獺祭を造る旭酒造は富士通とコラボして、テクノロジーを使用して、「山田錦」の安定調達プロジェクトを開始するほど、原材料の「山田錦」には強いこだわりをもっています。
ちえびじん 山田錦
大分県産山田錦を使用した純米吟醸のちえびじん。落ち着いた香りに爽やかさで優しい甘み。
山田錦らしいしっかりとした旨みと酸味がバランスよく口の中で広がります。
醸し人九平次 山田錦
醸し人九平次の山田錦バージョンです。
南国の果実のような香りに、口に含むと山田錦の旨みとまろやかな甘みが広がる。
パリの有名三ツ星レストランのシェフにも認められた。日本を代表する銘柄。
鍋島 山田錦
飲めばわかる!このうまさ!
山田錦特有のメロンの様な香りに、酒米の持つ芳醇な旨み、そして透明感のある味わい。
酸味のバランスが良く、ゴクゴク飲んでしまいそうな一本。
澤屋 まつもと 守破離 山田錦
爽快感あるまつもとに、山田錦のコクの旨みがバランス良くマッチ。
上品な酸味と幅のある旨みがサイコーに飲みやすい!
兵庫県産山田錦を100%使ったおすすめの日本酒3選
兵庫県産山田錦を100%使用した日本酒は、品の良い香りとクリアな飲み口が特徴です。ここでは、兵庫県の酒蔵「白鶴(はくつる)」のおすすめ3銘柄を紹介します。ぜひ日本酒選びの参考にしてください。
特撰 白鶴 特別純米酒 山田錦
なめらかな口当たりと、やさしい旨味を堪能できるお酒です。口に含むと、山田錦らしいコクがじんわりと広がります。
後口のキレの良さも特徴のひとつ。180mlから販売されているため、兵庫県産山田錦100%の味わいを気軽に試してみたいという人にもおすすめです。
特撰 白鶴 純米吟醸 山田錦
こちらは兵庫県産山田錦を100%使用し、吟醸造りで仕込んだ日本酒です。小さく磨いた山田錦を低温でじっくりと発酵させ、華やかな香りを引き出しています。
2018年の「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」では、メイン部門で金賞を受賞。スッキリとした香りが料理の味を引き立ててくれる銘柄です。
特撰 白鶴 特別純米酒 山田錦 原酒
日本酒の製造工程では、仕上げに加水調整をして味や香りのバランスを整えます。原酒であるこの特別純米酒は、加水調整をせずに仕上げたお酒です。山田錦のコクがありつつ、スッキリとしたキレ味も楽しめます。
最後に山田錦をもっと知る!
山田錦の館
山田錦の生産量が日本一の貢三木市。「山田錦の館」は山田錦を使った日本酒がズラーっと並び。年間40万人ほどの観光客が訪れる人気の観光スポット。
日本酒の試飲場では、一杯100円〜300円で気になるお酒を味わえる。
- 名前:山田錦の館
- 定休日:月曜日
- 営業時間:午前9時半〜午後9時
- 住所:三木市吉川町吉安222
- URL:https://www.76-2401.com/
山田錦 せんべい
山田錦100%にこだわり作った「山田錦せんべい」
最高の酒米で作ったせんべいは、お米本来の味に、シンプルなサラダ味。日本酒似合いそうなせんべいです!
いかがだったでしょうか?
酒米の王様「山田錦」。
日本酒を飲む際は、銘柄だけではなく酒米の種類にもこだわってみるといいですよ!
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[…] 山田錦…香り高く、雑味の少ない繊細できれいな味わい […]
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