純米酒とは|特徴やおすすめ純米酒のランキングを紹介!

日本酒の純米酒とは|特徴やおすすめ純米酒を紹介!

 純米酒とは|特徴やおすすめ純米酒のランキングを紹介!

日本酒の種類は豊富で、なかには「純米酒ってどんなお酒なのだろう」と悩まれる方もいるでしょう。

純米酒の特長や良さを知れば、自分の好みに合ったお酒をセレクトしやすくなります。

本記事では、純米酒の特徴やおすすめの純米酒を銘柄を10品ご紹介。迷う場合は本記事を参考に選ぶと失敗なく純米酒を楽しめます。

ぜひ最後まで読み進めてみてください。

純米酒とは

純米酒とは、米と米こうじのみを原料に造られる日本酒のことです。また、使用するこうじ米の割合などにも一定の決まりがあります。

純米酒 原料 精米歩合 こうじ米の使用割合 香味などの要件
・米

・米こうじ

15%以上 香味や色沢が良好

まずは、純米酒をはじめとする日本酒造りに欠かせない「米こうじ」や、「精米歩合」についてご紹介します。

 

純米酒の主原料「米こうじ」

「米こうじ」とは、蒸した米に麹菌(こうじきん)を振りかけて繁殖・発酵させたものです。日本酒の製造工程では、米こうじを造る作業を「製麹(せいぎく・せいきく)」と呼びます。

米こうじの出来はお酒の味わいを大きく左右するため、「一麹、二酛、三造り」といわれるほど製麹は重要な作業です。麹菌の繁殖を促すために高温多湿の環境でおこなうなど、肉体的に大変な工程でもあります。

ちなみに、米こうじは日本酒だけでなく、味噌や醤油、みりんといった伝統的な調味料の製造にも欠かせません。栄養価も高く、米こうじを主原料とする甘酒は「飲む点滴」ともいわれています。

純米酒には精米歩合の規定はない

精米歩合とは、外側を削ったあとに残る米の度合いを示す数値のことです。例えば、「精米歩合60%」は、米の外側を40%削っていることを表しています。

後述する吟醸酒や大吟醸酒などは、精米歩合の数値が決められています。一方、純米酒には精米歩合の規定は設けられていません。

一般的に、外側をより多く削った米で造るほど、お酒は雑味がないクリアな味わいに仕上がるといわれています。

しかし、近年は精米歩合80%や90%で上質な日本酒を生み出す酒蔵も少なくありません。自然由来のフレッシュな旨味を感じさせる日本酒も多く、新たなファン層を広げています。

純米酒と吟醸酒と大吟醸酒の違いは?

純米酒と吟醸酒大吟醸酒の大きな違いは、原料と製法です。以下のように、吟醸酒や大吟醸酒には「醸造アルコール」を使用します。精米歩合に規定があるほか、「吟醸造り」が用いられる点も異なります。

原料 精米歩合 こうじ米の使用割合 香味などの要件
純米酒 ・米

・米こうじ

15%以上 香味や色沢が良好
吟醸酒 ・米

・米こうじ

・醸造アルコール

60%以下 ・吟醸造りを用いる

・固有の香味を持つ

・色沢が特に良好

大吟醸酒 50%以下

醸造アルコールの有無と吟醸造りは、純米酒と吟醸酒の味や香りの違いにも影響をもたらします。

スッキリとしたキレを生み出す「醸造アルコール」

「醸造アルコール」は、サトウキビなどを主原料とする純度の高いアルコールです。日本酒造りでは、味や香りの調整のために醸造アルコールが使用されます。

また、醸造アルコールは日本酒にスッキリとしたキレ味をもたらします。まさに、お酒の個性を左右する大切な要素といえるでしょう。それだけに、醸造アルコールを添加しているかいないかは、純米酒と吟醸酒の個性をわける大きなポイントです。

華やかな香りを生む「吟醸造り」

表にあるように、吟醸酒や大吟醸酒には「吟醸造り」と呼ばれる製法が用いられます。吟醸造りとは、素材や製法をより吟味した醸造法のことです。材料を低温でじっくりと発酵させることで、フルーツのような甘く華やかな香りが生まれます。

一方、吟醸造りではない純米酒は、米や米こうじの香りが引き立つお酒です。それぞれの個性を知っておくと、日本酒を楽しむ幅がより一層広がります。

純米酒の香りや味わいの特徴

前述したように、純米酒は米本来の香りや味わいを楽しめるお酒です。製造法により異なるものの、香りはおだやかでコクのあるタイプが主流といえます。

また、日本酒は使用する酒米によって味に変化が生まれます。そのため、純米酒は酒米ごとの味の違いを感じたいときにもおすすめです。

例えば、酒米の王様といわれる「山田錦」で造ったお酒は、香り高くクリアな味わいに仕上がります。新潟県を中心に栽培される「五百万石」は、淡麗辛口のお酒に使われることが多い酒米です。

また、オマチストと呼ばれるファンを持つ酒米「雄町」は、お酒に深い旨味をもたらします。酒米に興味が湧いたときは、ぜひ純米酒を中心に日本酒を楽しんでみてください。

純米酒のおすすめの飲み方

温度の変化で楽しむ

日本酒は温度によって味わいが大きく変化するため、温度管理も重要です。純米酒におすすめなのは「常温」から「ぬる燗」の温度といわれています。

温度 特徴や効果
日向燗(ひなたかん) 30℃前後 やや香りや風味が引き立つ
人肌燗(ひとはだかん) 35℃前後 味に膨らみがでる
ぬる燗(ぬるかん) 40℃前後 香りや風味がより引き立つ

さらに温度を上げると、より香りが立ちアルコール感も増して辛口の味わいに。酒米のコクや味わいを楽しみたい場合にもおすすめです。

温度 特徴や効果
上燗(じょうかん) 45℃前後 米の味わいに深みが増す
熱燗(あつかん) 50℃前後 香りがシャープになる
飛びきり燗(とびきりかん) 55℃前後 より辛口に感じるようになる

温度を上げすぎてしまうと香りが飛んでしまい、純米酒の良さを損ねてしまいます。常温から徐々に温度を上げると良いでしょう。

銘柄によっては、ラベルにおすすめの温度表記があります。迷う場合は、ラベルの情報を参考にしてみてください。

料理とともに楽しむ

純米酒を楽しみたいなら、一緒にいただく料理のチョイスも大切です。純米酒に合う料理は、濃い味付けの料理や白米に合う料理といわれています。バターを使った料理もおすすめです。

例えば、鯖の味噌煮やムニエル、焼き鳥などが良いでしょう。酒蔵のある地域の郷土料理とも相性が抜群です。また、海の近くの酒蔵の場合は海鮮系の食材と合いやすく、山に近い酒蔵の場合は山の幸に合う日本酒が多いといわれています。

ぜひ気になる純米酒を見つけたら、酒蔵のある地域の情報を調べて、お料理を選んでみてください。お酒をより一層、美味しく楽しめます。

酒器に合わせて楽しむ

近年では、さまざまな種類の形や素材の酒器があります。お気に入りの酒器があれば、雰囲気も変わり、見た目でも純米酒を楽しめるでしょう。

純米酒におすすめの酒器は、木製の漆器や焼き物の酒器です。温めたお酒が冷えにくく、手に持ったときも熱くなりにくい素材のため、純米酒を美味しくいただけます。

できれば、広口タイプではなく底がすこし膨らむような形のものを選ぶのがおすすめ。香りがとどまりやすく、純米酒の良さを感じやすくなります。

ぜひ、お気に入りの酒器を見つけて日本酒タイムをお楽しみください。

 

人気のおすすめの純米酒ランキング

ここからは、おすすめの純米酒5選を紹介します。じっくりと米の旨味を堪能したい、燗酒でおいしく日本酒を楽しみたいというときは、ぜひ参考にしてください。

1位.寺田本家 五人娘

味わい コクのある濃醇な味わい
香り 米のふくよかな香り
酒米 雪化粧・美山錦
おすすめ用途 日常酒や日本酒好きへの贈り物
合うおつまみ 漬物、もろきゅう、ジビエ料理
おすすめの飲み方 常温、燗酒

寺田本家の「五人娘」は、無農薬米で造られるお酒です。製法にもこだわり、あえてろ過をせずに仕上げています。そのため、うっすらと黄色い琥珀色の見た目が特徴です。

麹菌も自家培養するなど、どこまでも自然にこだわった純米酒。製造が始まったのは、23代目が病を患ったのがきっかけだったといいます。

「人様の役に立つ、本物の酒」をという想いから誕生した「五人娘」は、体に染み渡る豊かな味わい。ゆっくりと口に含めば、ほかのお酒とはひと味違う滋味深いおいしさを実感できます。

2位.花の舞酒造 花の舞

味わい まろやかな甘味と適度な酸味
香り おだやかで心地よい香り
酒米 五百万石
おすすめ用途 食事と合わせる日常酒
合うおつまみ 刺身、おでん
おすすめの飲み方 冷酒、燗酒

静岡の地酒「花の舞」は、オール地元産にこだわって造られる日本酒です。主な原料となるのは、地元産の山田錦。仕込み水には、南アルプスの地下水が使われています。酒造りの責任者である杜氏も、地元で技術を培った人物です。

五百万石を使った純米酒は、米のコクと甘味、適度な酸味が特徴的。後口はすっきりと軽く、おつまみと合わせてスイスイと飲み進められます。

1升瓶が2000円台と、優れたコストパフォーマンスも魅力のひとつ。気軽においしい日本酒を楽しみたいという方におすすめの1本です。

3位.大七酒造 大七 純米生もと生原酒

味わい しっかりとした旨味、フレッシュな味わい
香り みずみずしい香り
酒米
おすすめ用途 日常酒
合うおつまみ 山菜料理、冷奴、天ぷら
おすすめの飲み方 冷酒

 

大七は、昔ながらの製法「生もと造り」一筋の酒蔵です。瓶詰から貯蔵まで伝統製法にこだわり、奥深い味わいを生み出しています。

純米生もと」は、蔵の定番酒。生原酒は加熱処理や加水をしていないため、お酒本来のフレッシュな味わいを楽しめます。みずみずしいおいしさは、10〜13度に冷やして楽しむのがおすすめです。

日本名門酒会が実施する「夏の生酒全国選手権大会」では、度々1位にランクイン。プロ部門でMVPを獲得するなど、日本酒を愛する人たちからも高く評価されています。

4位.菊姫 山廃純米

味わい ふくよかな旨味と個性的な酸味
香り ナッツのような芳醇な香り
酒米 山田錦 (兵庫県三木市吉川町・特A地区産)
おすすめ用途 日常酒
合うおつまみ 香りやコクが強いチーズ、ナッツ、ジビエ料理
おすすめの飲み方 常温、燗酒

菊姫の「山廃純米」は、山廃ブームの火付け役となったお酒です。山廃とは、自然の力に任せてお酒を醸造する伝統製法のこと。濃醇な味わいと繊細な香りをあわせ持ち、燗酒にするとより魅力が花開きます。

力強い味わいは、少しクセのあるおつまみと好相性。和食はもちろん、ゴルゴンゾーラのようなチーズやクリーム系の洋食、ナッツ、ドライフルーツともよく合います。山廃の魅力を知りたいという方に、まずおすすめしたい1本です。

5位.七賢 風凛美山

味わい 旨味がありつつスッキリとした後口
香り フルーティーで華やかな香り
酒米 ひとごごち

あさひの夢

おすすめ用途 日常酒
合うおつまみ 根菜の煮物、焼き銀杏、刺身
おすすめの飲み方 冷酒、常温、燗酒

七賢の「風凛美山」は、フランスで開催される日本酒コンクール「Kura Master(クラマスター)2021」純米酒部門で金賞を受賞。純米酒でありながら、吟醸酒のような華やかな香りを楽しめるお酒です。

原料となるのは、地元山梨県産の酒米「ひとごこち」と「あさひの夢」。純米酒らしいコクがありつつ、スッキリとしたキレの良さも際立ちます。

常温や燗酒はもちろん、冷やしておいしいこともうれしいポイントです。好みのスタイルで純米酒の味わいを満喫できます

6位.新政 純米酒 エクリュ

味わい まろやかでジューシーな旨みと酸味
香り ラ・フランスのような穏やかな香り
酒米 酒こまち
おすすめ用途 自分用・贈答用
合うおつまみ 焼き鳥・クリームチーズなど
おすすめの飲み方 冷酒

新政酒造のCollarsシリーズは手に入りにくいといわれているお酒の1つです。「純米酒 エクリュ」はCollarsシリーズのエントリーモデル。

お米の旨みや風味をしっかり引き出す生酛造りで醸されており、「酒こまち」の旨みがしっかり感じられます。あとに酸味や甘味を感じてスッとキレていく飲みやすさが人気のお酒。

原酒ですがアルコール度数は13℃で低めです。生酛純米造りのお酒にトライしてみたい人にもおすすめできます。

7位.黒牛 純米酒

味わい まろやかで素朴な優しい旨み
香り やわらかい香り
酒米 山田錦
おすすめ用途 自分用・会食など
合うおつまみ 鰹だしのきいた料理やポテサラなど
おすすめの飲み方 冷酒・常温・ぬる燗

「黒牛 純米酒」の良さはどんな料理にも合いやすい点です。近年では個性のある日本酒が増え、ペアリングする料理にも注意が必要ですが、このお酒はどんな料理にも合いやすく引き立て役にピッタリ。

もし冷酒にするならポテトサラダや棒々鶏などが良いでしょう。常温やぬる燗にすれば、メインの魚や肉料理との相性が良くなります。ぜひ、前菜からメインまで温度を少しずつ上げながらお楽しみください。

8位.玉川 自然仕込 純米酒(山廃)無ろ過生原酒

味わい アルコール感があり、蜜のような甘味とミルキーさがある
香り ナッツなどの甘くコクのある穏やかな香り
酒米 五百万石・雄町・山田錦など
おすすめ用途 自分用・贈答用
合うおつまみ チーズや豆腐ようなど
おすすめの飲み方 冷酒・常温・上燗

「玉川 自然仕込」シリーズは、使用する酒米によって様々なラインナップがあります。山廃造りのため、酒米の旨みや風味がしっかりと引き出されているお酒です。好みの酒米がある場合はその美味しさを存分に味わえる純米酒。

冷酒にすれば、フレッシュな香りが楽しめ、上燗(45℃前後)にすれば、酒米の旨みが口いっぱいに広がります。アルコール度数は18〜20.9%とかなり高めなので、和らぎ水を用意しながらゆっくりとお楽しみください。

9位.春鹿 超辛口

味わい 超辛口のスッキリ、まろやかさもある
香り 穏やかな香り
酒米 五百万石
おすすめ用途 自分用・父の日のプレゼントなど
合うおつまみ そば、和食
おすすめの飲み方 冷酒・常温・熱燗(50℃)

「春鹿 超辛口」は、奈良県を代表する有名な辛口淡麗の日本酒です。

仕込み水に軟水が使用されているため、辛口ながらまろやかさのあるお酒。男性うけする味わいで、父の日のギフトにも喜ばれる一本です。

お試しで飲んでみたい方向けの180mlサイズもあり、飲み比べもしやすいでしょう。冷酒か

ら熱燗まで、さまざまな温度帯でお楽しみください。

10位.越後桜 辛口

味わい キレがよく、まろやか
香り おだやかな香り
酒米 国産米
おすすめ用途 自分用
合うおつまみ きのこのバター焼き、煮魚など
おすすめの飲み方 冷酒・常温・熱燗(50℃くらい)

「越後桜 辛口」はやや辛口でスッキリとしていますが、米の旨みや風味をしっかりと感じられる純米酒です。吟醸造りで丁寧に醸された原料米の味わいを楽しめます。

1800mlのボトルを1,000円〜2,000円前後で購入できるコスパの良さが魅力的で、晩酌のお供にも最適でしょう。バターを使った料理や煮魚とのペアリングが抜群です。料理の温度に合わせてお楽しみください。

純米酒をもっと楽しもう

純米酒の特徴や選び方、おすすめの銘柄を紹介してきました。

原料の酒米の旨みや風味を楽しめる純米酒は、酒蔵の腕の見せ所ともいえるお酒。酒蔵のこだわりや、思い、酒米の良さを感じながらお酒タイムを楽しんでみてください。

また、冷酒からお燗までさまざまな温度で楽しめるのも、純米酒の良さです。温度の違いによって新しい発見があるでしょう。

ぜひ本記事を参考に、自分の好みに合った純米酒をセレクトしてお試しください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。