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日本酒の新酒とは|味わいや美味しい飲み方、おすすめの新酒10選を紹介
- 「新酒って特別なお酒なの?」
- 「美味しく飲める新酒の選び方や銘柄を知りたい」
新酒と聞くと日本酒と何が違うのかと考えてしまう方も多いでしょう。
新酒は日本酒とは違った味わいを楽しめるお酒で、いつでも飲めるお酒ではありません。日本酒が好きな人にとっては特別なお酒です。
この記事では、新酒の特徴やおすすめの飲み方について詳しく解説しています。また、新酒の選び方がわからない方向けにおすすめの銘柄を10商品ピックアップしました。
この記事を読めば新酒について詳しくなり、自分が飲みやすい日本酒も見つかるので、参考にしてください。
Contents
日本酒の「新酒」とは
「新酒」とは、醸造した年度内に出荷されている日本酒を指します。毎年秋の終わりから冬の終わりは新酒の季節です。新酒は普通の日本酒とは少し味わいや風味が違い、新酒ならではの良さもあります。
日本酒について詳しくなりたいのであれば、新酒についての基礎知識は必須。新酒には様々な種類があり、特徴にも違いがあります。
新酒について詳しくなれば、日本酒をもっと楽しめるでしょう。まずは新酒とは何か、新酒の種類についての基礎知識を解説します。
新酒の定義
一般的には毎年7月1日から翌年6月30日までを「醸造年度」といい、その年に仕込みをしたお酒を年度内に出荷すれば「新酒」とされています。
たとえば11月に仕込みをして翌年の3月に出荷をすれば「新酒」です。しかし、ひと夏熟成させて、翌年の9月や10月に出荷すれば新酒ではなく「古酒」となります。
また、新酒は上記で説明した醸造年度以内の出荷に限らず、
- 仕込みをして出来上がったあと、熟成の期間を設けずに出荷したお酒
- 火入れをしていない日本酒
- 新米を使用して醸造し、春に出荷する日本酒
という場合に「新酒」とされることも。
「できたばかりの日本酒を瓶詰めしたもの」が「新酒」と覚えると、わかりやすいでしょう。
新酒の種類
「新酒」と一言でいっても様々な種類があります。日本酒は造る工程や段階の変化により、様々な新酒が出来上がるのです。
新酒の種類 | 特徴 | |
初しぼり | ・醸造年度の一番最初に仕込み、一番最初に搾ったお酒
・「初物」と呼ばれることもあり |
|
しぼりたて | ・搾ってすぐに瓶詰めしたもの ・加水処理や加熱処理をしているものも含む・貯蔵期間がないお酒 |
|
原酒 | ・搾ってから加水調整をせず、瓶詰めしたもの
・アルコール度数が高めになる |
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生酒 | ・搾ってから加熱処理(火入れ)をせず、瓶詰めしたもの
・保存期間によって味わいが変化する |
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あらばしり | ・醪から酒と粕にわけたとき(上槽時)に最初に出てくるお酒
・微発泡感がある ・アルコール度数が低めで飲みやすい |
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中汲み | ・あらばしりの次に出てくるお酒
・味と香りのバランスが良い |
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責め | ・中汲みのあとに出てくるお酒
・浮遊物が混ざっている ・濃厚な味わいでアルコール度数も高め |
|
にごり酒
(おりがらみ含む) |
・「ろ過」や「おり引き」をしていないお酒
・薄く濁っており、旨みが強め |
上記の表の種類は組み合わされてラベルに表記されていることもあります。例えば、「あらばしりおりがらみ」は、上槽の時に最初に出てきたお酒を「おり引き」していないものです。
また、生原酒と呼ばれる新酒は、加水調整や加熱処理をしていないお酒を指しています。原酒は加水していないためアルコール度数が高めで、クセやキツさを感じる場合も。
飲みやすいものを選びたいなら「初しぼり」「しぼりたて」「あらばしり」から選ぶと後悔しません。
気になる種類があったらぜひ、小瓶サイズで飲んでみると良いでしょう。
新酒の味わい
新酒はできたての日本酒のため、フレッシュな風味が特徴です。口に含むとピリリと刺激を感じたり、発泡感があります。普通の日本酒よりスッキリとした爽快感のある味わいに感じるでしょう。
主に12月前後より販売されるお酒なので、冬に旬を迎える食材の味わいの引き立て役にもピッタリです。味が濃くなりやすい年末年始のお料理にも合わせやすく、口の中をスッキリとさせてくれます。
また、新酒は繊細な味わいのため、冷酒でいただくのがおすすめです。おでんやお鍋などの温かい料理のお供にも良いでしょう。
ただし、新酒はアルコールやクセを感じにくく、飲み過ぎてしまうこともあります。日本酒に飲み慣れていない方でも飲みやすいお酒ですが、「和らぎ水(チェイサー)」を飲みながらゆっくりと飲むようにしましょう。
新酒の時期
蔵元や銘柄によっても新酒の発売の時期に若干の差がありますが、主に12月〜3月に販売されます。新酒は時期を限定していることもあり、販売本数が少なめです。楽しみにしているファンも多いため、手に入れたいなら販売時期を確認しておくと安心でしょう。
また、酒蔵によっては「四季醸造」という一年を通して温度管理をしながら新酒を造っています。しかし、四季醸造の場合は温度管理が重要で非常にコストもかかりやすいのが欠点です。
そのため冬の寒さを利用した「寒造り」で造られる日本酒が今でも多くあります。寒造りなら発酵の熱をコントロールしやすくなり、酒質も安定させやすいのです。
秋に収穫したお米をすぐに醸造し、出来上がるのが12月〜3月頃になるため、冬の時期は新酒の時期となります。
新酒の美味しい飲み方
新酒はその特徴から、少し工夫すると味わいが変化したり、さらに美味しくいただけるお酒です。新酒ならではの楽しみ方を知ってぜひ実践してみてください。
期間をあけて何度も飲む
瓶を開封して少し飲んだあと、翌日また飲んでみると味わいの変化を感じるでしょう。日本酒は出来上がって搾ったあと、火入れを行います。しかし、新酒は火入れをせず瓶詰めするため、時間の経過とともに発酵が進みます。そのため、冷蔵庫で保管しておくと熟成され、酸味が穏やかになり、味わいに丸みが出るでしょう。
新酒は冷蔵庫で保管できるため、期間をあけて飲むと味わいの変化を楽しめます。
冷やして飲む
新酒を食中酒としていただくなら直前まで冷蔵庫でしっかり冷やしておくと良いでしょう。日本酒は温度を高くすると香りが立ちますが、同時に飛びやすくもなります。お燗でいただくには香りや味わいが強い日本酒がおすすめです。
しかし、新酒の味わいはフレッシュで上品な香りを楽しみたいお酒です。新酒の繊細な味わいを楽しみたいなら冷やした冷酒やロックスタイルがおすすめ。
また、冷蔵庫で冷やすときは横に倒さず、縦置きがベストです。横向きにすると空気に触れる部分が多くなり、味わいも大きく変化しやすくなります。新酒のフレッシュ感を楽しみたいなら縦置きで冷蔵庫に保管してください。
旬の食材と一緒に飲む
旬の食材は旨みや栄養が多く積極的に食べたいもの。新酒も冬に旬を迎える魚介類や野菜、料理との相性が良いためおすすめです。
スッキリとした味わいの新酒は、旨みやコクのあるチーズや魚介の干物、味付けの濃いお料理を引き立ててくれます。新酒の味わいを楽しみたいなら、淡泊な白身魚の刺身とペアリングもおすすめです。
自分の好きな食材やおつまみに合わせてセレクトしても楽しめるでしょう。
おすすめの美味しい新酒10選
新酒の基本知識や美味しい飲み方を知ったなら、次は実際におすすめの銘柄から新酒を選んで試してみましょう。
ここから紹介する新酒はどれも美味しいと評判で人気のあるお酒です。特徴をまとめた表もあるので参考にして、好みに合った日本酒を探してみてください。
菊水酒造 にごり酒 五郎八
種類 | にごり酒 |
味わい | 濃醇甘口 |
香り | 酸味と甘みのある香り |
産地 | 新潟県 |
合うおつまみ | 鯖の味噌煮、焼き鳥 |
おすすめの飲み方 | 冷酒 |
「菊水酒造 にごり酒 五郎八」は濃厚でコクのある味わいが特徴。濃い味付けのおつまみや料理とのペアリングがおすすめです。
アルコール度数が21度で高めのため、飲みにくい場合はカクテルにすると良いでしょう。五郎八とソーダ水を2:1で割ってみたり、柑橘系のジュースで1:1で割ると飲みやすくなります。
どちらのカクテルもよく冷やしておいてから作るのがポイントです。五郎八の風味や味わいを損ねず、美味しくいただけます。
八海山 しぼりたて原酒 越後で候
種類 | 本醸造酒(青越後)・純米大吟醸酒(赤越後) |
味わい | やや濃醇辛口(青)・淡麗辛口(赤) |
香り | フレッシュでフルーティーさがある |
産地 | 新潟県 |
合うおつまみ | チーズや海鮮系の干物 |
おすすめの飲み方 | 冷酒 |
「八海山 しぼりたて原酒 越後で候」は青いラベルの「青越後」と赤いラベルの「赤越後」があります。どちらも辛口ですが、青越後のほうが濃純な味わいです。
原酒のためアルコール度数は高めの19度。それでもスッキリとしているため飲みやすく感じるでしょう。新潟のお酒らしいしっかりとした味わいのある日本酒です。
おつまみにはコクや旨みのあるものがおすすめ。よく冷やすとフルーティーさを感じやすくなります。
新澤酒造店 あたごのまつ 純米吟醸 ささら おりがらみ生酒
種類 | 純米吟醸酒 |
味わい | 淡麗辛口 |
香り | 青リンゴのような香り |
産地 | 宮城県 |
合うおつまみ | 牡蠣、白子 |
おすすめの飲み方 | 冷酒 |
「あたごのまつ 純米吟醸 ささら おりがらみ生酒」は10月〜1月下旬までの季節限定で販売されている日本酒です。2022年には「オリエンタルサケアワード」で金賞を受賞。新酒らしいフレッシュな味わいと純米吟醸酒らしい上品な香りやコクを楽しめます。
ペアリングするなら旨みの強い牡蠣や白子がおすすめ。魚介類との相性が良いです。
「おりがらみ生酒」なので火入れをしておらず、長期保存には向いていません。購入後は早めに飲みきるほうが美味しくいただけます。
蓬莱泉 純米大吟醸 しぼりたて
種類 | 純米大吟醸 |
味わい | 濃醇甘口 |
香り | フルーティー |
産地 | 愛知県 |
合うおつまみ | チーズ、フルーツ、マリネ |
おすすめの飲み方 | 冷酒 |
「蓬莱泉 純米大吟醸 しぼりたて」は酒米に山田錦を使用。山田錦の豊かな香りと甘みの中に「しぼりたて」のフレッシュさを楽しめます。
12月に季節限定商品として販売される日本酒です。瓶に掛けられている木札には来年の干支が朱印されており、年末年始の贈答用にも喜ばれます。
合うおつまみはコクやうま味のあるチーズや、酸味のあるフルーツ。互いの風味をうまく引き立て合うでしょう。
白龍酒造 新米新酒の上善如水 純米吟醸
種類 | 純米吟醸酒 |
味わい | 中口淡麗 |
香り | 上品で華やかな香り |
産地 | 新潟県南魚沼郡 |
合うおつまみ | 鯛の煮付け、肉豆腐 |
おすすめの飲み方 | 冷酒 |
「新米新酒の上善如水 純米吟醸」は新潟の質の高い酒米と水で醸した新酒です。フルーティーな香りと共に力強い味わいを感じられます。
しっかりした味わいのお酒なので、ペアリングには濃いめの味付けのものがおすすめです。例えば、鯛の煮付けや肉豆腐と相性は抜群。
11月に季節限定酒として販売されます。在庫がなくなり次第販売終了となるため、お試ししたい場合はお早めに。
出羽鶴 純米新酒生 新米初しぼり
種類 | 特別純米酒 |
味わい | 淡麗中辛口 |
香り | リンゴのような香り |
産地 | 秋田県 |
合うおつまみ | チーズ |
おすすめの飲み方 | 冷酒 |
秋田県の地元の酒米「ぎんさん」で醸した新酒です。ぎんさんはアミノ酸の含有量が少ない酒米のため、雑味の少ないクリアな味わいが感じられます。
「出羽鶴 純米新酒生 新米初しぼり」は新酒らしいフレッシュさと酸味でキレも特徴的。チーズなどのコクのあるおつまみとの相性も抜群で、飲み飽きずに楽しめるでしょう。
季節数量限定のお酒として11月から販売されます。初しぼりの日本酒なので、年始などの縁起を担ぎたいときにもおすすめです。
土佐鶴酒造 土佐鶴 しぼりたて新酒
種類 | 純米酒 |
味わい | やや濃醇でやや辛口 |
香り | 華やかで穏やかな香り |
産地 | 高知県 |
合うおつまみ | お鍋、中華料理 |
おすすめの飲み方 | 冷酒・お燗(45℃~50℃まで) |
数量限定で11月中旬頃から販売される「土佐鶴 しぼりたて新酒」は年末には売り切れてしまうことのある人気の純米新酒。
一般的な新酒は冷酒がおすすめですが、このお酒はお燗でも美味しくいただけます。新酒ならでは爽快感を楽しみたいなら冷酒。純米酒ならではのコクや旨みを楽しみたいなら、お燗でいただくと良いでしょう。
また、温かい鍋や中華料理との相性が抜群です。おつまみやお料理に合わせて冷酒やお燗にしても楽しめます。
上川大雪 「十勝」吟風 純米吟醸 搾りたて無濾過生酒
種類 | 純米吟醸酒 |
味わい | 芳醇やや辛口 |
香り | フルーティーで芳醇な香り |
産地 | 北海道 |
合うおつまみ | チーズ |
おすすめの飲み方 | 冷酒 |
『十勝」吟風 純米吟醸 搾りたて無濾過生酒』の酒米は北海道の「吟風」です。吟風で醸せば芳醇で味わいも良い日本酒ができるといわれています。
このお酒は2022年に「北海道米でつくる-日本酒アワード」でグランプリを受賞しました。
精米歩合を55%まで高めたクリアな味わいの中に強い旨みとキレのある日本酒です。おつまみに選ぶのはコクと酸味のあるチーズなどが良いでしょう。
蓬莱しぼりたて新酒
種類 | 吟醸酒 |
味わい | 淡麗辛口 |
香り | フルーティーな香り |
産地 | 岐阜県 |
合うおつまみ | お鍋やおでん |
おすすめの飲み方 | 冷酒 |
「蓬莱しぼりたて新酒」は酒造好適米の「ひだほまれ」で醸した火入れをしていない生原酒です。新酒ならではのフレッシュさや爽やかさのある味わいを楽しめます。
ひだほまれは心白が大きく、アミノ酸の含有量が少ない酒米です。精米歩合を60%まで高めて、雑味がなく飲みやすいお酒。日本酒に飲み慣れていない方でも飲みやすいでしょう。
機械を使わない、蔵人の手作りにこだわった渡辺酒蔵の渾身の1本です。
菊水新米新酒 ふなぐち菊水一番しぼり
種類 | 吟醸酒 |
味わい | 辛口淡麗 |
香り | アルコール感のあるフルーティーな香り |
産地 | 新潟県 |
合うおつまみ | 焼き鳥のタッカルビ |
おすすめの飲み方 | 冷酒、ロック |
「ふなぐち菊水一番しぼり」は生原酒です。生原酒は火入れや加水調整をしていないため、品質保持が難しいのが特徴。昔は酒蔵を訪れた人にしか振る舞えなかったお酒です。
試行錯誤の末、アルミ缶で保存することで、日本で初めて生原酒を流通させることに成功しました。1本200mlのサイズもお試しには最適です。
生原酒なので、できたてのフレッシュな味わいを楽しめます。
この時期にしか味わえない新酒を楽しもう
新酒は主に12月~3月頃に発売される冬の季節限定のお酒です。出来たばかりのお酒のため、フレッシュでフルーティーな香りや繊細な味わいが楽しめます。
新酒には様々な種類がありますが、日本酒に慣れていないなら「初しぼり」「しぼりたて」「あらばしり」と表記されているものがおすすめ。これらはクセが少なく飲みやすいタイプの新酒です。
原酒はアルコール度数が高めなので、柑橘系のジュースでカクテルにすると飲みやすくなります。またスパークリング日本酒が好きな方はソーダ割りも良いでしょう。
この記事で紹介した新酒の10品はどれも失敗がありません。自分の好みや、合わせたいおつまみで選んでも良いでしょう。
新酒は季節限定商品で数量も少なく、時期を逃すと手に入れられないこともあります。気になる新酒の銘柄が見つかったら、ぜひ販売の時期をチェックしておいてください。
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