ソガペールエフィスとは?評判と購入方法を解説|ワイナリーが作る激レア日本酒

ソガペールエフィスとは?ワイナリーが作る激レア日本酒

幻の日本酒「ソガペールエフィス」についてご存知でしょうか。長野県にあるワイナリーが時期・数量を限定して販売する銘柄で、香りの芳醇さが人気のお酒です。

「なぜ幻の日本酒と呼ばれるの?」「どこで買えるの?」など、ソガペールエフィスについて気になる人もいるのでしょう。

そこで今回は、「ソガペールエフィス」について紹介。特徴や購入方法・相性のよい料理も紹介していますので、ぜひ参考になさってください。

幻の日本酒「ソガペールエフィス」とは

「ソガペールエフィス」は、幻の酵母と良質の酒米でこだわりつくした、長野県小布施産の日本酒で、白ワインボトルで販売しています。ワイン通なら誰でも知る「小布施ワイナリー(ブティックワイナリー)」が、ワイン農園のオフシーズンに、スタッフ一同で製造しています。もとよりご先祖様が代々清酒蔵でした。家宝として保存し続けた酵母をもとに、古典的な生酛造(きもとづくり)にて日本酒の復活がかなっています。

単一酵母で製造される「ソガペールエフィス」は、昨今の日本酒とは違い、芳香が非常に豊か。はじめは白ワインかと錯覚しますが、米の旨味が凝縮された、生きた生粋の日本酒とわかるでしょう。酒米は木桶で吸水して、最高級の蒸かし米にすることで、濃厚で芳醇な日本酒に仕上がります。

なぜ幻と言われているのか

「ソガペールエフィス」は、フランス・ブルゴーニュ地方のワイン「ロマネ・コンティ」のようです。風味を語り尽くす人は多くとも、飲んだことがなかったりする伝説のお酒になりつつあります。

以下が、幻の日本酒と言われている理由です。

1号酵母~5号酵母の復活

もっとも驚くべきことは、幻の協会1号酵母〜5号酵母で作った日本酒が復活したことです。日本酒造協会が保管している日本酒の酵母は「協会⚪️号酵母」と名付けられています。しかし、協会1号酵母〜5号酵母は、時代の移り変わりとともに姿を消してしまいました。

小布施ワイナリーは、日本酒造協会にすら存在しないとされていた複数の酵母を、70年もの長い月日をかけて保存していました。

「ソガペールエフィス」は1号〜9号酵母をシリーズとして製造販売しています(8号酵母をのぞく)。毎年新しい正法を続けているため、翌年は同じ「ソガペールエフィス」ではないことも、幻の日本酒と言われる理由の1つでしょう。

古典的な生酛造

「ソガペールエフィス」は、昨今では希少価値が高い、古典的な生酛造(きもとづくり)で製造されています。生酛造は、微生物や酵母の働きを自然にまかせつつ、人の五感で酒をつくる手法です。酵母の活性化とじっくり対話をしながら、熟練の技と直観をたよりにお酒を生みます。生きている清酒のため、野性的で複雑な味わいがする逸品です。

例年7,000Lのみの少数生産

「ソガペールエフィス」は、ワイン農園での仕事が少なくなる冬季に、農園スタッフが製造している日本酒です。毎年、7,000L程度の出荷に限られています。全国の特約店78店舗のみで販売し、品質維持の可能なワインショップや酒店が契約を結んでいます。

「ソガペールエフィス」は、酵母の種類により製造販売時期が異なる流通方法です。例年、1号酵母から順に出荷し、酵母の配合した日本酒も製造しております。2月中旬ごろから流通し、生酛品質保証期間は3〜5ヶ月程度であるため、希少価値が高いのです。

小布施ワイナリーについて

幻の日本酒を製造販売する小布施ワイナリーは、長野県の小布施地区にある家族経営のワイナリーです。五つ星ワイナリーとして日本代表クラスの高品質なワインを提供しています。過去には数々の金賞受賞ワインを、毎年のように製造していた経歴があるのです。日本映画にもなるほどで、2018年秋には「ウスケボーイズ」にて、ノンフィクション映画として上映されていました。

もとはワイン農園ではなく、酒造場として明治に創業し、風味豊かな地酒を製造販売していました。「泉龍」という銘柄は地元で深く愛されていましたが、戦後に廃業を余儀なくされ、ワイン農園へと転身した経緯があります。当主であった曽我市之丞氏からの意思と家訓を子孫代々が語り継ぎ、酵母を大切に保存していました。

現・小布施ワイナリー当主の4代目・曽我彰彦氏は、山梨大学・大学院ワイン研究センターを卒業。フランス・ブルゴーニュ地方でワインの製造とブドウ栽培を本格的に研究してきました。国際ワインコンクールで金賞を受賞し、国内でも金賞を連続受賞した経歴の持ち主です。現当主は日本酒の製造を「趣味」「娯楽」と定義づけており、本業はワイナリーと伝えています。70年の月日を越えて、息吹いた酵母の軌跡は曽我家一族の「趣味」と表現されました。趣味というよりも、家訓につたわる、日本酒造りの復活を、子孫が成しえたというべきでしょう。

ソガペールエフィスの原料

酒米は、長野県・小布施北部に広がる、無農薬/収穫制限をした「美山錦」と自社産の「美山錦」が原材料です。「美山錦」は低たんぱくの酒米で、造られる日本酒は晩酌のお供に合うと言われています。

全商品、秋に収穫したばかりのお米で、晩冬までに日本酒を完成させます。ソガペールエフィスは8種類の酵母ごとに日本酒を主に販売しています。培養酵母は使用しておりません。例年、酵母を配合した日本酒も造られていますが、近代酒造法で主流のブレンド米は使っておらず、昔ながらの美山錦のみの単一思想です。

ソガペールエフィスの種類

今回は、1〜7号酵母と 9号酵母の「ソガペールエフィス」の8種類の特徴をご紹介します。

特徴                            五段階評価 ★1 ☆0.5 原材料と度数 販売価格
1号酵母

アン

無色透明

兵庫県灘「櫻正宗」より明治に分離

香り:甘い吟醸香 / シャインマスカット 

合う料理:春野菜のパスタ / キスの天ぷら

原材料:

長野県産美山錦100%

米 / 米麹 / 1号酵母

精米配合:59%

アルコール度数:16%

約3,000円~
2号酵母

ドゥ

無色透明に近い薄い黄色

京都伏見「月桂冠」より分離

香り:甘い吟醸香 / マスカット / モモ

合う料理:きゅうりの浅漬け / 寄せ鍋

原材料:

長野県産美山錦100%

米 / 米麹 / 2号酵母 

精米配合:59%

アルコール度数:16%

約3,000円~
3号酵母

トロワ

無色透明

広島県三島「酔心」より分離

香り:サッパリとした吟醸香 / 柑橘系 

合う料理:川魚の塩焼き / しめ鯖

原材料:

長野県産美山錦100%

米 / 米麹 / 3号酵母

精米配合:59%

アルコール度数:16%

約3,000円~
4号酵母

キャトル

無色透明

広島県の酒造場より分離

香り:白ワインに似ている

合う料理:刺身 / 魚の寿司 / 魚の煮つけ

原材料:

長野県産美山錦100%

米 / 米麹  / 4号酵母

精米配合:59%

アルコール度数:16%

約3,000円~
5号酵母

サンクゥ

無色透明

広島県西条「賀茂鶴」より分離

香り:甘い吟醸香 / 杏仁豆腐 / ライチ / メロン

合う料理:白身のソテー / 海鮮グラタン

原材料:

長野県産美山錦100%

米 / 米麹  / 5号酵母

精米配合:59%

アルコール度数:16%

約3,000円~
6号酵母

ヌメロシックス

無色透明で艶あり、ほのかに山吹色

新政・秋田「新政」より分離

香り:爽やか

合う料理:焼き鳥 / ピザ

原材料:

長野県産美山錦100%

米 / 米麹  / 6号酵母

精米配合:59%

アルコール度数:16%

約3,000円~
7号酵母

セットゥ

無色透明

長野県「真澄」より分離

香り:吟醸香

原材料:

長野県産美山錦100%

米 / 米麹  / 7号酵母

精米配合:59%

アルコール度数:16%

約3,000円~
9号酵母

ヌフ

無色透明

岐阜県「菊川」より分離

香り:吟醸香

原材料:

長野県産美山錦100%

米 / 米麹  / 9号酵母

精米配合:59%

アルコール度数:16%

約3,000円~

1号酵母:ヌメロアン

原材料名 米 / 米麹 / 長野県産美山錦100% / 1号酵母
精米歩合 59%
アルコール度数 16%

ノスタルジーに浸れる、ミルキーな香味が特徴。果実系の酸味と、とろけるような甘味がします。まろやかな口当たりで、のど越しがよいお酒です。

酸味とコクが強い、生酛造り独特の味わいです。青く甘い香り漂うフレッシュな印象です。後味はスッキリしているので、食中酒として楽しめます。

2号酵母:ドゥ

原材料名  米 / 米麹 / 長野県産美山錦100% / 2号酵母
精米歩合 59%
アルコール度数 16%

自然が生み出した独特の甘みは、生きいきとしており濃厚。香りは爽やかで、長野県のリンゴやブドウを感じさせる。喉越しは爽やかでキレがよいため、食中手として最適です。

香りはフルーティーで、ブドウやリンゴを想わせます。口当たりはフレッシュで、酸味が効いています。天然甘味が濃厚のため、お酒の味が苦手な方や女性にも楽しめるでしょう。

3号酵母:トロワ

原材料名  長野県産美山錦100%

米 / 米麹 / 3号酵母

精米歩合 59%
アルコール度数 16%

ミルキー、やわらかさと気品、辛口にして甘露な日本酒で、甘味・渋み・苦味がバランスよく味わえることが特徴。辛みも強く、日本酒ファンから高い支持を得ています。

また、柑橘系の香りがし、ほどよい甘味を感じることが特徴。生酛の酸味がしっかりきいてバランスがよい。少し苦味を感じつつ、キレがよいので、さっぱり飲みたい方に最適です。

4号酵母:キャトル

原材料名  米 / 米麹 / 長野県産美山錦100% / 4号酵母
精米歩合 59%
アルコール度数 16%

1〜6号酵母の中で、もっともワインに近い味わいです。ハーブやスパイスの芳香がほのかに漂い、癒しを与えられます。期待を裏切らない、ピリッとした味わいでキレが非常によいことが特徴。

飲みやすくて、キレもよいので食中酒としても合います。刺身に合いますが肉もおすすめです。

5号酵母:サンクゥ

原材料名  米 / 米麹 / 長野県産美山錦100% / 5号酵母
精米歩合 59%
アルコール度数 16%

甘味と酸味がほどよくマッチし、フルーティな味わいでバランスのよさが特徴、。長野県の森林や山を散策したような、爽やかな香りがします。

また、アーモンドのような香ばしさが重なる、香ばしい味わいです。ワイン好きからも人気の高い1本です。

6号酵母:ヌメロシックス

原材料名 米 / 米麹 / 長野県産美山錦100% / 6号酵母
精米歩合 59%
アルコール度数 16%

シャキッとした切れ味のある風味でふくらみのある、やわらかな味わいが特徴。爽やかな香りでm日本酒をふんだん飲む人に親しみやすい味です。

キレ味がよく、現在も製造されている6号酵母なので、日本酒をよく飲んでいる方に親しみやすいでしょう。

7号酵母:セットゥ

原材料名  米 / 米麹 / 長野県産美山錦100% /7号酵母
精米歩合 59%
アルコール度数 16%

乳酸を想わせる、ミルキーでふわっと広がる風味が特徴です。バナナのような芳香が漂います。現在も多く使用されている酵母なので、親しみやすい味。力強く穏やかな吟醸香がします。

ピリッと炭酸のようにキレる余韻が特徴的で、フルーティなお酒が好きな方におすすめです。

9号酵母:ヌフ

原材料名  米 / 米麹 / 長野県産美山錦100% / 9号酵母
精米歩合 59%
アルコール度数 16%

果実独特の甘味と酸味を感じられ、華やかな風味はワイナリーならではの味わい。日本酒が苦手な人でも、飲みやすくて人気です。

ソガペールエフィスに合う料理

生酒「ソガペールエフィス」は、花冷え(10度)〜ぬる燗(40度)でおいしくいただけます。冷えた「ソガペールエフィス」は、生酒が苦手な方にも飲みやすくなるでしょう。生酛のお酒なので、燗映え(かんばえ)したコクがある風格を体験したとき、真の日本酒だと感じるのではないでしょうか。食事に合わせて日本酒の温度を調節し、お好みの風味を存分にお楽しみいただくのがよいでしょう。

「ソガペールエフィス」は食中酒としても最適で、とくに白ワインとともに食する料理や日本食との相性は抜群のようです。チーズやホワイトクリーム、醤油などの濃縮された食材に合うと言われています。イワナ、アヤメ、アユなどの川魚とともに、ぬる燗でいただくのも、豊かな宴となるのは間違いなさそうです。

また、料理を丁寧につくるレストランや飲食店にも「ソガペールエフィス」が入荷しています。「ソガペールエフィス」の味わいと風味を、すぐれたシェフに引き立てていただくのも、おいしい楽しみ方の1つになるはずです。

ソガペールエフィスの購入方法

「ソガペールエフィス」は全国78店舗ある、生酒品質管理が行き届いた正規特約店のみ購入が可能です。小布施ワイナリーの公式ホームページに、正規特約店の一覧表があります。最寄りのワインショップや酒店で「ソガペールエフィス」について、お問い合わせいただくのが確実です。

「ソガペールエフィス」は生酒なので鮮度が命です。1号酵母は2月中旬、4号酵母は4月頃など、酵母ごとに販売時期が異なります。「ソガペールエフィス」醸造元のワイナリーは3月末に「 ソガペールエフィス」をすべて売り切ります。ワイン農園が忙しくなる前に日本酒製造と出荷をすべて終える流れです。製造より3ヶ月〜6ヶ月が生酒の品質保証期間です(4度以下)。保証期間を過ぎると「ソガペールエフィス」の風味や芳香から遠ざかり、超マニアックになる可能性があるとのこと。「生老ね香」という、生酒が腐敗した、独特の悪臭が漂う懸念を伝えているのでしょう。

インターネットのオンラインショップでも販売されることがありますが、正規価格の2〜5倍がほとんどです。高額でも構わない方もいらっしゃるはずですが、保証期間を今一度ご確認ください。数年前に製造販売された、マニアックな「ソガペールエフィス」も高値で販売しています。

よくある質問

ソガペールエフィスの意味は?

ソガ・ペール・エ・フィスはフランス語で、日本語に直訳すると「曽我家の父と息子」という意味です。

小布施ワイナリーの特徴は?

現当主の曽我彰彦氏は、自社のワイナリーを「ブティックワイナリー」と表現しています。ワインも原材料と製造方法を探求してビンテージワインを生産しています。

日本酒の製造方法は以下のように、蔵元としてのポリシーが明確に存在します。

  • ろ過のこだわり

良質の酒米と手作業で行うため、古典的な日本酒に仕上がります。清い日本酒にするために、必要な旨味までも取り除いてしまうことがあります。「ソガペールエフィス」は、「無ろ過」のためほのかに淡い山吹色をしており、生酒独特の旨味を残している日本酒です。純日本産らしい、繊細な味わいを堪能できます。

  • 手もみの麹

麹は機械を使わず「製麹機」と「人間の手」によるもみあげです。微生物による発酵で、科学では探り出せない神秘的な麹は「ソガペールエフィス」手もみによる風合い。昼夜を問わず麹の手入れをし、夜中でも麹質には明かりが灯っており、手間暇かかる製造方法です。

小布施ワイナリーは、小布施にワインが購入できる直営店をもっています。試飲スペースでは、ワインと日本酒のテイスティングができます。北信濃の観光旅行へ行かれる際に、立ち寄ってみるのはどうでしょうか。完全予約制で、1時間以内に終わるため、旅程が立てやすい試飲会です。

まとめ

「ソガペールエフィス」は、自社の白ワインボトルに、趣味で造ったおいしい日本酒を入れて、エコロジーに製造販売されました。日本酒そのものを製造する以外に、無駄な費用をかけてないのでしょう。しかし、ネット販売では大変な高値になってしまったのは皮肉なことです。

「ソガペールエフィス」は生粋の生酒です。生酒は燗の温度で、香りと味わいの違いを楽しめるので、合わせられる料理の幅が広い日本酒。毎晩の夕食のお供として、最適な逸品と言えるでしょう。

良心的な販売価格なので、最寄りの正規特約店にて、ぜひ幻の日本酒を購入してみてはどうでしょうか。

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