熟成酒のおすすめ11選|特徴や3つの種類も解説

熟成酒のおすすめ11選

日本酒を楽しんでいると耳にするのが、熟成酒。一般的な日本酒と何が違うか気になる方も多いでしょう。熟成酒の奥深さを知ると、よりお酒を楽しむことができます。

本記事では熟成酒の特徴や種類、熟成期間別におすすめの熟成酒を紹介。日本酒をより楽しみたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

熟成酒とは?

熟成酒の定義や特徴、種類について詳しく説明します。日本酒と熟成酒は定義が異なるため、違いを知ると自分好みのお酒を見つけられるでしょう。

熟成酒の定義と特徴

熟成酒は別名「熟成古酒」とよばれ、名前の通り長期間熟成させたお酒のことです。熟成酒は酒税法上の定義はありません。しかし長期熟成酒研修会では「満3年以上蔵元で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒」を熟成酒の定義としています。

日本酒でも、数ヶ月〜1年ほど絞ったあとに貯蔵させる銘柄があります。熟成という観点は同じですが、そのような日本酒は熟成酒と呼ばないことが一般的です。

熟成酒は熟成を重ねると、水に近い透明色から山吹色や琥珀色に変化します。香りはカラメルや木の実など複雑なものに変わり、なめらかで濃厚な味わいが特徴です。日本酒とは一味違う芳醇で、コクのある熟成酒を知るとより日本酒への興味を高めるでしょう。

熟成酒の3つの種類

熟成酒には、濃熟・中間・淡熟と3種類あります。醸造の仕方・熟成年数・貯蔵、熟成の仕方で分けられていて、種類を知ると自分好みの熟成酒を見つけられるでしょう。

種類 酒の種類 保存温度 飲む際の適温 色合い 香り おすすめのおつまみ
濃熟 本醸造酒、純米酒 常温(15〜25度) 10~15度 カラメルのような濃い色 重厚な香り 脂分の多い料理、中華料理、チョコレート、チーズなど
中間 本醸造酒、純米酒、吟醸酒、大吟醸酒 低温と常温の併用 常温(15〜25度) 山吹色や琥珀色 濃熟と淡熟の中間の味わい 酢豚、しゃぶしゃぶ、チョコレートなど
淡熟 吟醸酒、大吟醸酒 低温

(15度以下)

低温(15度以下) 淡い茶色 吟醸酒の程よい香り フランス料理、生ハム、チーズ、塩辛など

濃熟

濃熟酒は本醸造酒・純米酒を常温で成熟させたもの。濃熟は熟成酒ならではの味わいが堪能できて常温で保存できるため、熟成酒をこれから飲み始める人におすすめです。熟成期間が長いほどカラメルや醤油のような濃い茶色になり、重厚な香りかつ、酸味や苦味・コクを味わえます。脂分の多い料理やチョコレート・ブルーチーズなど濃厚な味わいの料理と相性抜群です。

中間

中間は本醸造酒・純米酒・吟醸酒・大吟醸酒など、お酒の種類が豊富さが特徴です。低温から常温または常温から低温と熟成方法も異なり、飲む際も低温や常温など好みの楽しみ方ができます。味わいは濃熟と淡熟の中間で、全体のバランスの良さからほどよい飲みごたえを感じられるでしょう。酢豚、しゃぶしゃぶ、チョコレートなど、ほどよい甘味・酸味・苦味のある食べものと相性抜群です。

淡熟

淡熟は、吟醸酒・大吟醸酒を低温熟成させたものです。淡い茶色でウイスキーと似た色合いが特徴的。「色が濃い=熟成酒」ではないため、初めての方は混乱するかもしれません。淡塾は程よい苦味と繊細な味わいを楽しめ、吟醸酒や大吟醸酒の魅力を備えています。フランス料理や、旨みの強い生ハムやチーズなどと相性抜群です。

熟成酒の選び方

「熟成酒の種類が多くてどれを選んだらよいかわからない」という悩みを持った方のために、熟成酒の選び方を紹介します。選び方を知っておくと自分好みが見つかるだけでなく、プレゼントする際に役立つでしょう。

種類で選ぶ

はじめて熟成酒を選ぶ方は、3つの種類から選びましょう。先ほど紹介したように、熟成酒には「濃熟・中間・淡熟」と種類があります。それぞれ香りや味わいに違いがあり、料理に分けて選ぶのもいいでしょう。また熟成酒は種類だけでなく、ベースとなるお酒もさまざまあります。日頃から日本酒をたしなむ方は、お好みの日本酒の種類で選ぶのもおすすめです。

味わいで選ぶ

スッキリさやコク深さなどの、味わいで選ぶのもおすすめです。濃熟は酸味や苦味などコク深い味わいで、淡熟は程よい苦味と繊細な味わいを楽しめます。中間は濃熟と淡熟のあいだの味わいが楽しめるので、初めての方は中間から始めてみるのもいいでしょう。

香りで選ぶ

熟成酒には、香りの強い弱いなど特徴があります。濃熟は重厚な香りがあり、淡熟は吟醸酒の程よい香りを楽しめるでしょう。熟成酒ならではの香りを楽しむなら濃熟、ベースとなる日本酒の香りも楽しみたい方は淡熟がおすすめです。

産地で選ぶ

熟成酒はベースとなる日本酒の産地で選ぶのもおすすめです。日本酒は風土や気候によって、香りや味わいに影響を受けます。そのため、お好みの日本酒がある方は同じ産地の熟成酒から始めるのもいいでしょう。またゆかりのある地域の熟成酒を選ぶのも、楽しみ方の1つになります。

熟成期間3年以上のおすすめ熟成酒3選

ここからは、熟成期間3年以上のおすすめ熟成酒を3選紹介します。熟成の定義が「満3年」なら、まずは基本の熟成酒から始めてみたい方も多いでしょう。なかには少量からお試しできる熟成酒もあるので、ぜひ参考にしてみてください。

白山 大吟醸古酒

酒造メーカー 萬歳楽
特定名称酒の種類 大吟醸古酒
熟成年数 3年

「白山 大吟醸古酒」は、萬歳楽が誇る白山シリーズ最高峰の熟成酒です。兵庫県三木市口吉川町特A地区の「山田錦」のみを使用し、買い付けは現地まで足を運ぶほどのこだわりがあります。代表酒である「森の吟醸蔵 白山」の設備を技術を使い、3年間の低温熟成で醸造。ふくらみのある豊かな味わいが特徴です。300ml・720ml・1,800mlと3種類を用意しているので、お試しやプレゼントとしてもおすすめです。

madena

酒造メーカー 一ノ蔵
特定名称酒の種類
熟成年数 非公開

「madena」は世界3大酒精強化ワインの1つ「マデイラワイン」の、酒精強化と加温熟成を用いて醸造した「酒精強化清酒」です。加温熟成に地元宮城県大崎市にある鳴子温泉郷の温泉熱と、自然の温度と計3年以上の熟成を経て完成しました。澄んだ琥珀色とカラメルのような豊かな香りが特徴的で、濃厚な味わいの料理やブルーチーズなどと相性抜群です。

達磨正宗 熟成三年

酒造メーカー 達磨正宗 
特定名称酒の種類
熟成年数 3年

「達磨正宗 熟成三年」は、3年以上熟成させた「達磨正宗」を数種類ブレンドした熟成酒です。常温熟成で醸造し、美しい琥珀色でまろやかな味わいが特徴。「達磨正宗 熟成三年」は常温・冷や・お燗などさまざまな楽しみ方ができるため、熟成酒が初めての方も飲みやすいでしょう。またクリーミーな味わいに合わせて、クリーム系の料理やチーズなどまろやかな料理と相性抜群です。

熟成期間5年以上のおすすめ熟成酒2選

ここでは、熟成期間5年以上のおすすめ熟成酒を2選紹介します。熟成期間が5年以上になるとさらに色に変化が出て、まろやかな味わいを楽しめるでしょう。

純米大吟醸 八海山 雪室熟成八年

酒造メーカー 八海山
特定名称酒の種類 純米大吟醸
熟成年数 8年

「純米大吟醸 八海山 雪室熟成八年」は、3度前後の低温のなか熟成させた熟成酒です。1,000トンに及ぶ雪を蓄えた、低温貯蔵庫「雪室」を利用して醸造しています。雪室は昭和30年代まで雪国各地で利用された歴史もあり、背景を思い浮かべながら楽しめるでしょう。なめらかで優雅な風味が特徴で、さまざまな料理と相性抜群です。数量限定の熟成酒なので、気になる方は早めの購入をおすすめします。

結の香 5年熟成酒

酒造メーカー 株式会社菱屋酒造店
特定名称酒の種類 純米大吟醸酒
熟成年数 5年

「結の香 5年熟成酒」は、岩手県産米の「結の香」を100%使用した熟成酒です。使用される「結の香」は醸造特性を突き詰めて開発・栽培されたお米で、雑味成分が少なくきめ細かさが特徴。熟成されたまろやかな味わいで、お米の旨みをダイレクトに堪能できるでしょう。こだわりが強く5年と熟成期間が長いですが、3,666円とお手頃な料金。さまざまな料理に合う味わいなので、熟成酒の1本目としてもおすすめです。

熟成期間10年以上のおすすめ熟成酒6選

最後に熟成期間10年以上のおすすめ熟成酒を6選紹介します。10年以上熟成したものは、より日本酒の芳醇や香りや味わいを堪能できるでしょう。なかには20年以上のものもあるので、こだわりある方はぜひ参考にしてみてください。

特別純米 枯山水 十年熟成

酒造メーカー 出羽桜
特定名称酒の種類 特別純米
熟成年数 10年

「出羽桜 特別純米 枯山水 十年熟成」は、2013年に創業120周年を記念して醸造された熟成酒です。四季の温度変化でお酒を育てる「四季熟成」で醸造され、濃厚な味わいを堪能できます。40〜45度の飲み方が最も美味しく飲めると推奨されていますが、冷やや常温でも美味しくいただけます。出羽桜の代表でもある「枯山水 三年熟成」とは全くの別もので、三年熟成を飲んだ経験のある方も香りや味わいの深さに驚くことでしょう。

秘蔵純米 二十五年古酒

酒造メーカー 笹の川酒造
特定名称酒の種類 純米酒
熟成年数 25年以上

「秘蔵純米 二十五年古酒」は名前の通り、25年熟成させた珍しい熟成酒です。25年の長期間は清酒を別のものへと変化させ、まろやかで深い味わいを楽しめます。深くコクのある味わいは、脂分の多い料理や中華料理と相性抜群です。熟成酒としてはもちろん、25年の歴史を感じながら味わうといいでしょう。

長期熟成古酒 悠久乃杜

酒造メーカー 吉乃川
特定名称酒の種類 特別純米酒
熟成年数 最長23年

「長期熟成古酒 悠久乃杜」は、吉乃川が手掛ける熟成酒です。2000年~2012年まで熟成期間別で発売されていて、長いもので23年になります。2000年に熟成された長期熟成古酒は、チョコレートのような芳醇な香りを楽しめます。味わいもまろやかで甘みを感じられるため、長期間熟成したお酒のなかでも飲みやすさを感じられるでしょう。年代別で購入できるので、お子さまの成人祝いや記念日の贈り物としてもおすすめです。

熟露枯 ヴィンテージボトル 大吟醸 20年熟成

酒造メーカー 東力士
特定名称酒の種類 大吟醸
熟成年数 20年

「熟露枯 ヴィンテージボトル 大吟醸 20年熟成」は、黄金色が美しい熟成酒。洞窟での低温熟成と季節の温度変化も混ざり、気品ある味わいとミルクのようなまろやかさが特徴です。また、ナッツのような香りとドライフルーツのような果実香も感じられ、チョコレートなどとの相性が合います。化粧箱付きで販売されているため、プレゼントとしてもおすすめです。

TAMAKIYA SELECTION 酒匠厳選 長期熟成酒

酒造メーカー 下越酒造
特定名称酒の種類
熟成年数 25年

「 TAMAKIYA SELECTION 酒匠厳選 長期熟成酒」は、異なるヴィンテージがブレンドされた熟成酒。古いもので、25年以上の熟成酒が使用されています。カラメルのような甘く香ばしい香りと、コクの深い甘さが特徴です。牛肉料理や、甲殻系の料理と相性抜群。熟成酒では珍しいワインのようなラベルが特徴的で、イベントや記念日にもおすすめです。

VINTAGE SAKE 山吹ゴールド

酒造メーカー 金紋秋田酒造株式会社
特定名称酒の種類
熟成年数 最長18年

「VINTAGE SAKE 山吹ゴールド」は10年ものをベースに、さまざまな熟成酒をブレンドしたものです。なかには最長18年ものも使用していて、樽で熟成されたような香りと甘みを感じられます。「VINTAGE SAKE 山吹ゴールド」は金紋秋田酒造株式会社の熟成酒のなかで特に人気で、2023年9月時点では完売です。購入を検討している方は、定期的に公式サイトを確認してみてください。

熟成酒に関するよくある質問

熟成酒に関するよくある質問をまとめました。よくある質問を確認しておくと、自分好みの熟成酒をさらに見つけやすくなるでしょう。これから熟成酒の購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

初めて熟成酒にチャレンジします。どれくらい熟成させたものがおすすめですか?

熟成酒にこれから挑戦する方は、熟成期間10年未満のものがおすすめです。熟成期間が長いほど、熟成香の独特なにおいが強くなります。10年未満の熟成酒は香りはそれほど強くないため、初めての方も飲みやすいでしょう。

熟成香と老香は異なるものですか?

老香は日本酒を保存すると避けられない香りで、熟成香とは異なります。老香の原因はDMTSと呼ばれる物質で、たくあんや硫黄をイメージさせる独特な香りです。しかし老香は熟成期間が長いほどDMTSは減少し、熟成香に変化します。老香が苦手な方は、熟成期間の長い熟成酒を選ぶといいでしょう。

特徴を理解して熟成酒を楽しもう

熟成酒は、日本酒をさまざまな方法で3年以上蔵元で熟成させたお酒です。濃熟・中間・淡熟と3種類に分けられ、種類によって味わいや香りに特徴があります。

本記事では、熟成期間3年以上・5年以上・10年以上の熟成酒を紹介しました。これから熟成酒に挑戦する方は選び方を参考に、お好みのお酒を見つけてみてください。

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