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今回は、日本酒の作り方について、世界一わかりやすく、図を用いて説明していきます。
美味しい日本酒編集部
こんにちは!「美味しい日本酒」編集部です。日本酒の作り方をとにかくわかりやすく、魂を込めて書いていきます!
Contents
日本酒の作り方の基本中の基本 お酒の3つのタイプ
まず、日本酒の作り方を理解する上で重要なのが、アルコール類は製造方法の違いによって、大まかに3つのタイプ(醸造酒・蒸留酒・混成酒)に分けられることです。
- 醸造酒:日本酒・ビール・ワイン
- 蒸留酒:焼酎・ウイスキー・ブランデー・ジン・ウォッカ・テキーラ
- 混成酒:リキュール・ベルモット・梅酒
3つのタイプのお酒を簡単に説明します。
⒈ 醸造酒(じょうぞうしゅ)
醸造酒に分類されるお酒👉日本酒・ビール・ワイン
醸造酒とは?
原料(米・麦・葡萄)を、酵母によってアルコール発酵させたものです。
アルコール度数は最高でも20度程度。
日本酒は、米に酵母を入れてアルコール発酵させるので、醸造酒に分類されます。
⒉ 蒸留酒(じゅうりゅうしゅ)
蒸留酒に分類されるお酒👉焼酎・ウイスキー・ブランデー・ジン・ウォッカ・テキーラなど
蒸留酒とは?
醸造酒を加熱し、アルコールと水の沸点の違いを利用して作られるお酒です。飲用アルコールの沸点は78.3℃なので、熱すると水よりも早く気化し、その後冷やすと、アルコール度数の高いお酒ができあがります。
- 米 ➡︎日本酒 ➡︎ 焼酎
- 麦 ➡︎ ビール ➡︎ ウイスキー
- 葡萄 ➡︎ ワイン ➡︎ブランデー
⒊ 混成酒(こんせいしゅ)
混成酒に分類されるお酒👉梅酒、リキュール、ベルモットなど
混成酒とは?
醸造酒や蒸留酒に、果実や、糖分、香料を加えたお酒のことを言います。
さて、ここまでで、お酒の3つの分類について学んでいただけたかと思います!
日本酒は、ワインやビールと同じ「醸造酒」の分類に入るんです!
ただ、同じ醸造酒でも、製造工程には違いがあります。ここからはその3つのタイプの製造工程についてお話していきますね!!
醸造酒➡︎日本酒・ビール・ワインの作り方の違い
日本酒・ワイン・ビールは共に醸造酒で、原料をアルコール発酵させて作られています。
アルコール発酵とは、原料に含まれる糖分を酵母によって分解し、アルコールと炭酸ガスを発生させることを言います。
ワインの場合は、もともと原料の葡萄に糖分が含まれているため、酵母を加えれば、アルコール発酵します。しかし、日本酒の場合は、原料の米が糖分を含んでいないため、そのままでは発酵ができないのです。
そこで、米に麹を加えることで、麹の作用で米に含まれるでんぷんを糖分に変え、その糖分を酵母によってアルコール発酵させています。
つまり、①でんぷん➡︎糖分(糖化)、②糖分➡︎アルコール(発酵)という2つの化学反応を同じタンク内で同時に行っており、これを「並行複発酵」といいます。これは世界で唯一の醸造方法であり、高度な技術が必要とされます。
日本酒の並行複発酵
日本酒の場合、1つのタンクで「糖化」と「発酵」の作業を同時に行います。
ビールの単行複発酵
2つのタンクを使い、最初に「糖化」、次に「アルコール発酵」を行います。
ワインの単発酵
ワインの場は原料の葡萄に糖分(ぶどう糖)が含まれているため、最初からアルコール発酵させることができます。
さて、ここからは、日本酒の製造工程をとにかくわかりやすく説明していきますね!
日本酒の作り方(製造工程)
- 手順1玄米
日本酒作りには、「酒米」と呼ばれるお酒専用のお米を使用します。
- 手順2精米
玄米の外側部分には、ビタミン、タンパク質、脂質が多く含まれていて、お酒の雑味の原因となるので、「精米」という作業によって削ります。
精米の際に残った白米の割合をパーセントで表したのが、「精米歩合」です。
- 手順3洗米
次に、精米で出た米のくずを水で洗い流す「洗米」を行います。
- 手順4浸漬(しんせき)
次に、「浸漬」という、必要な水分を米に吸収させる工程を行います。
「米に水を吸わせる時間で味が決まる」という杜氏もいるくらい重要なポイントです。
- 手順5蒸米
次に、「蒸米」と言われる、浸漬で水を吸わせた米を蒸す作業に移ります。
蒸すことにより、米のでんぷんが糖化しやすくなります。 できあがりは、外側が硬く、内側が柔らかいものがいいとされています。蒸された米は、麹用、酒母造り用、仕込み用に分けられます。
- 手順6製麹(せいぎく)
「製麹(せいぎく)」とは、でんぷんを糖化させる能力を持つ「麹(こうじ)」を作り出す作業です。
蒸した米(麹用)に、粉状の麹菌をふりかけ、麹菌を繁殖させていきます。
- 手順7酒母(しゅぼ)-酛(もと)-造り
「酒母造り」は、アルコール発酵に必要な「酵母」を、大量に培養することが目的です。
蒸した米(酒母造り用)・麹・水・少量の酵母に乳酸を加えることにより、液中が酸性となって雑菌が抑制され、酵母だけを増やすことができます。
酒母造りの方法は、3つあります。➡︎①速醸系、②山廃仕込み、③生酛仕込み。
ラベルに「山廃」や「生酛」と書いてあるのは、酒母の作り方の違いです。また何も書いていないのは、基本的に「速醸系」です。 - 手順8醪(もろみ)造り
ここから本格的な酒造りが始まります!
最初に、この前の工程で作った「酒母」を投入し、その後、「蒸した米・麹・水」を3回に分けて投入していきます。
3回に分ける理由は、酒母が他の微生物に弱いため、一気に入れてしまうと、アルコール発酵が進まないからなんですね。
なお、「貴醸酒」というお酒は、この仕込みの段階で、「水」の代わりに「お酒」を投入します。それにより、はちみつのような甘くてトロっとした味わいになります。「貴醸酒って何?」って思った方は下記記事へ!
蜜のように甘い「貴醸酒」とは??日本酒をもっと楽しむ基礎知識 - 手順9発酵
2週間から1ヶ月ほどかけて、本格的な「発酵」が始まります!
ここで、日本酒特有の「並行複発酵」と言われる、「デンプン➡︎糖分」・「糖分➡︎アルコール」という2つの反応が同時に行われるのです!
- 手順10上槽
発酵した醪(もろみ)から液体を絞り出すことです。
「上槽」の方法は、機械でやる方法や、重力によってポトポト落ちてくる方法(袋吊り)などさまざまです。
上槽後、最初に出てくるお酒を「あらばしり」、中ほどに出てくるお酒を「中取り」、最後に出てくるお酒を「責め」と呼びます。
- 手順11おり引き
上槽後の液体には、細かくなった固形物等が浮遊しており、濁った状態になっています。
「おり引き」とは、その液体をタンクの中にしばらく放置しておくことをいいます。
それにより固形物が沈み、色がより澄んだ状態になります。
おり引きをしていないお酒を、「滓がらみ(おりがらみ)」といいます。別名「うすにごり」とも。
- 手順12濾過(ろか)
細かいカス(おり)を除去するために、濾過を行います。
濾過をしないお酒を、「無濾過」といいます。
- 手順13火入れ
濾過をした後、火入れと呼ばれる、低温殺菌を行います。火入れを行わないと、酒内の菌が残り、時間が経つに連れて、味わいを変化させてしまいます。
火入れをしないお酒を「生酒」といい、最初の一回だけ火入れをするお酒を「生詰酒」、瓶詰め前に一回のみ火入れをするお酒を「生貯蔵酒」といいます。
- 手順14貯蔵・調合・割り水
貯蔵
火入れされた日本酒は、瓶に詰められるまで、タンクに貯蔵されます。
貯蔵することにより、アルコールの分子と水の分子が融合し、まろやかな酒質になっていきます。
調合
タンクごとに香味が違うので、品質を一定にするため、調合(ブレンド)します。
割水
水を加え、アルコール度数を調整していきます。
春先に絞ったお酒を秋まで貯蔵し、出荷するお酒を「ひやおろし」。
3年以上貯蔵されたお酒を「古酒」といいます。 - 手順15濾過+火入れ
瓶詰めする前に、カス(おり)を取り除くために再度濾過を行い、殺菌のために火入れも行います。 」
- 手順5瓶詰め
瓶に詰めて、出荷します!
いかかがだったでしょうか?
日本酒の作り方を学べば、より日本酒が楽しくなりますよ!
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