特別純米酒とは|特徴やおすすめの銘柄を紹介!

日本酒の特別純米酒とは|特徴やおすすめの特別純米酒を紹介!

特別純米酒とは|特徴やおすすめの銘柄を紹介!

日本酒には「特別純米酒」や「純米酒」などの種類があります。同じ日本酒でも種類により製法や香味が違ってきます。特別純米酒や純米酒などの種類の違いを知ることで、日本酒をさらに楽しめることでしょう。

この記事では特別純米酒とはどのような日本酒なのか解説します。あわせて、特別純米酒のおすすめの飲み方や選び方、純米酒との違いなども説明します。

飲んでみたい特別純米酒を見つける際の参考にしてください。

 『特別純米酒』とは

特別純米酒とは、日本酒の「特定名称」のひとつです。特定名称とは「原料や精米歩合、こうじ米の使用割合、香味によって付けられる日本酒の種類の名称」です。日本酒の特定名称は商品ラベルなどに記載されています。

日本酒には8つの特定名称があります。純米大吟醸酒や純米酒、本醸造酒などの名前を耳にしたことはありませんか。これらはすべて日本酒の「特定名称」です。

日本酒の特定名称は次のようになっています。

  • 吟醸酒(ぎんじょうしゅ)
  • 大吟醸酒(だいぎんじょうしゅ)
  • 純米酒(じゅんまいしゅ)
  • 純米吟醸酒(じゅんまいぎんじょうしゅ)
  • 純米大吟醸酒(じゅんまいだいぎんじょうしゅ)
  • 特別純米酒(とくべつじゅんまいしゅ)
  • 本醸造酒(ほんじょうぞうしゅ)
  • 特別本醸造酒(とくべつほんじょうぞうしゅ)

吟醸造りという製法で造られる日本酒のグループには「吟醸」という言葉が含まれています。醸造アルコールが使われている日本酒には「本醸造」という名前が出てきています。醸造アルコールを使っていない日本酒が「純米」です。

特別純米酒は「米と米こうじ」が原料として使われます。醸造アルコールは使用しません。醸造アルコールとは高純度かつ無味無臭のアルコールのことです。つまり特別純米酒は、米と米こうじ、水だけで造られる日本酒になります。

また原料として使用できる米には条件があり、「精米歩合60%以下または特別な製法」のものを使用することが定められています。特別な製法については説明の表示が必要です。また、「こうじ米の使用割合が15%以上」で「香味や色沢が特に良好」であることも要件になっています。

 『純米酒』と『特別純米酒』の違いとは|よくある質問

 特別純米酒とよく似た名前の「純米酒」という日本酒もあります。純米酒と特別純米酒は名称が似ているため、日本酒選びの際に困るケースがあるかもしれません。特別純米酒と純米酒は何が違うのでしょうか。

特別純米酒と純米酒は共にお米と水だけで造られる日本酒です。こうじ米の使用割合も共に15%以上になっています。この点はどちらの日本酒も同じです。

特別純米酒と純米酒の違いは、精米歩合と香味です。

特別純米酒の精米歩合には「60%または特別な製造方法」という要件があります。対して純米酒には精米歩合の指定はありません。特別純米酒と純米酒は第一に精米歩合の点で異なっています。

また、特別純米酒の香味は「香味、色沢が特に良好である」と定められていますが、純米酒は「香味、色沢が良好」となっています。特別純米酒と純米酒は第二に香味の点で違っているのです。

味の面に注目すると、純米酒と特別純米酒は共にお米の旨味が感じられる日本酒ですが、純米酒の方がやや粗削りなタイプの日本酒が多いといわれることがあります。純米酒には精米歩合の要件が定められていないからです。

純米酒にはシンプルにお米の味を楽しめる日本酒や、お米の雑味をわざと活かしているタイプの日本酒などがあります。人によっては「炊き立てのご飯の味」「おせんべいの風味」などと表現することもあります。

 

  『特別純米酒』の香りや味わいの特徴

 特別純米酒はお米と水で造られる日本酒です。そのため、お米本来の旨味や風味を感じやすいという特徴を持ちます。純米酒と同様に「炊き立てのご飯の風味」「おせんべいのような香ばしさ」と表現する人もいます。全体的に「お米感のある日本酒」だといえるでしょう。

ただ、特別純米酒の要件は「60%または特別な製造方法」です。個性的な製法を用いて造られた特別純米酒であれば、風味にもやはり個性が出ます。個性が甘さとなって出るケースもありますし、酸味として出ているケースも少なくありません。製造方法の工夫により香りとして出ているタイプの特別純米酒もあります。

純米酒と特別純米酒を比較すると、特別純米酒はお米の風味をベースにした個性的なタイプが多いといえるかもしれません。特別純米酒の「特別」を「個性」と読み替えればわかりやすいのではないでしょうか。

 

 『特別純米酒』のおすすめの飲み方

 特別純米酒のおすすめの飲み方は常温、あるいはぬる燗です。

特別純米酒の魅力は何と言ってもお米の風味です。シンプルに常温で飲むとお米本来の旨味や特別純米酒ならではの個性を感じられます。グラスや焼き物の酒器などに常温(冷や)のまま注ぎ、そのまま風味を楽しんでください。

特別純米酒のもうひとつのおすすめの飲み方はぬる燗です。燗とは温めた日本酒のことです。ただ、一言に燗といっても温度はさまざまで、5度刻みで名称が異なっています。

ぬる燗は40度の日本酒を表わす言葉になります。やや熱めのお風呂くらいの温度の日本酒がぬる燗です。特別純米酒はお米の旨味が感じられる日本酒なので、ご飯のように温めて楽しむことをおすすめします。猫舌の人は熱さをやや下げて、人肌燗(35度)にしても良いかもしれません。

特別純米酒にはおつまみを合わせても楽しめます。特別純米酒はお米や水などで造られる日本酒なので、「お米に合う肴」と考えておつまみを選んではいかがでしょうか。漬物や出汁巻き卵、冷奴などはおすすめです。冷奴を肴にする場合はお好みで薬味を変えると新鮮な気分でお酒を楽しめるかもしれません。

他には、味玉や焼き鳥など、ご飯が進みそうなおつまみを合わせるのもおすすめです。いろいろな組み合わせが考えられますので、自分好みのお酒と肴の組み合わせをぜひ見つけてください。 

『特別純米酒』の選び方

 特別純米酒を選ぶときのポイントは4つあります。

特別純米酒は製法などにより個性が出るため、同じ特別純米酒という名称の日本酒でもかなり風味に違いがあります。選ぶ際は4つのポイントで「飲んでみたい」と思える銘柄を選び、そこから少しずつ自分の好みを探って行く方法がおすすめです。

 

  • 酒米の種類
  • 産地
  • 味わいと香り
  • 製法

 

酒屋によっては試飲もできます。試飲を見つけたら試してみるといいでしょう。

 

酒米の種類で選ぶ

 特別純米酒を造る際に使われている酒米の種類で飲みたい銘柄を選ぶ方法です。

日本酒造りに使われる酒米にはさまざまな品種があります。山田錦は有名な酒米のひとつと言えるでしょう。。特別純米酒には他に雄町などもよく使われています。地元産の酒米などを使っている銘柄や、あえて酒米ではなくササニシキなど飯米を使っているタイプの特別純米酒もあります。

使われている酒米・飯米によって特別純米酒の味はかなり違ってきます。そのため、使われているお米の好みで特別純米酒を選ぶのもひとつの方法です。たとえば、山田錦を使った特別純米酒は、お米の甘さと旨味がしっかり表れている芳醇なタイプが多い傾向にあります。特別純米酒をはじめて飲む人や初心者にもおすすめです。

特別純米酒に使われているお米に関しては、日本酒のラベルや酒造のホームページなどで確認できます。

 

  産地で選ぶ

 

日本酒に使われている原材料の産地で選ぶ方法もあります。日本酒はお米と水が主原料であり、お米や水の産地の違いが味に大きく影響するからです。お米や水の産地に着目して選ぶことで自分好みの味を見つけられる可能性が高くなるはずです。

中には、製造された地域と酒米の産地が異なる銘柄もあります。原材料の産地にこだわって選ぶ場合は、商品ラベルなどで酒米の産地を確認してみましょう。

また、日本酒の産地(酒造のある自治体)に注目して選ぶ方法もあります。自分の出身地や好きなアーティスト、作家、歴史上の偉人の出身地にある酒蔵の特別純米酒を選ぶのもよいでしょう。文学作品や漫画、映画、ドラマなどで登場した地域の特別純米酒を選んでも面白いかもしれません。自分の好きな作品を肴に日本酒を楽しめることでしょう。

 

味わいと香りで選ぶ

 特別純米酒の味や香りで選ぶ方法もあります。特別純米酒の主原料はお米と水です。そのため、基本的にはお米本来の旨味が強いのが特徴になります。

ただし、特別純米酒は「特別」と付き、製造法などの関係で純米酒より個性的な味が多い点も特徴であるといわれています。特別純米酒は、その銘柄にしかない個性が出ているタイプからお米の旨味がシンプルに楽しめるタイプまでさまざまです。

お酒を飲む際は、やはり味や香りを楽しみたいという気持ちがあるのではないでしょうか。基本的な方法ではありますが、気になる特別純米酒の味や香りを確認して、自分の好みに合いそうな銘柄を選んではいかがでしょうか。試飲ができないお店の場合は、お店の方に好みを伝えておすすめを聞いてみるのもよいでしょう。

製法で選ぶ

特別純米酒は、製造方法で風味に差が出ます。製造方法が個性的であれば、造られる特別純米酒も個性的な風味になるといわれています。特別な製法で造られた特別純米酒や、興味深い製法で造られた特別純米酒など、製法をポイントにして選んでみるのも楽しいかもしれません。

 

おすすめの特別純米酒5選

 

特別純米酒の中からおすすめを5銘柄ご紹介します。何を選んだら良いのかわからないという人は、この5銘柄の中からまずは1本選んではいかがでしょうか。

西田酒造 田酒

青森県の西田酒造店が造っている特別純米酒が「田酒(でんしゅ) 特別純米」です。使われている酒米は「華吹雪」という品種で、日本酒の糖分量の指標になる日本酒度は0になっています。アルコール度数は約15度です。

西田酒造の特別純米酒である田酒には2種類のタイプがあります。片方は11月から冬期間のみ販売される特別純米酒で、厚みのある味わいが特徴です。もう1種類の特別純米酒 田酒は、通年商品になっています。こちらはすっきりとした辛口で、飲み飽きない味わいが特徴です。

田酒の2種類の特別純米酒は酒米、日本酒度、アルコール度数の面で同じですが、風味が異なるため、飲み比べもおすすめです。

 

相模灘 特別純米酒

神奈川県の久保田酒造で造っている特別純米酒が「相模灘 特別純米酒」です。

相模灘 特別純米酒は日本酒度がプラス5、アルコール度数は16~17%です。酒米は美山錦を使用しています。

味わいの特徴はキレのある辛口です。透明感のある端麗な風味にはファンも多く、酒造の一番人気のお酒になっています。食中酒としても人気があり、やや癖のある料理とも好相性です。

 

富久千代酒造 鍋島

 佐賀県の富久千代酒造で造っているのが「鍋島(なべしま) 特別純米酒」です。使われている酒米は雄山錦、山田錦、佐賀の華の3種類で、アルコール度数は15%です。

鍋島の風味の特徴はパンのような甘い風味だと言われています。パンを口に入れたときのような柔らかな風味は多くの人に愛されています。また、特別純米酒をはじめて飲む人にも飲みやすく感じられるはずです。

 白鶴酒造 山田錦 

兵庫県の白鶴酒造株式会社で造っている特別純米酒です。使われているのは最高峰の山田錦になります。アルコール度数は15%で、日本酒度はプラス3です。

白鶴酒造 山田錦の特徴はお米の豊潤さがしっかり出ているところです。お米特有の旨味や風味の深みを感じたい人にはおすすめの特別純米酒になります。

白鶴酒造 山田錦もはじめて特別純米酒を飲む人や酒米で選びたい人におすすめの1本です。
 

酔鯨酒造 酔鯨

 高知県の酔鯨酒造が造っているのが「酔鯨(すいげい) 特別純米酒」です。

酵母は熊本酵母を使用し、アルコール度数は16%になっています。日本酒度はプラス6.5です。

酔鯨は食前酒や毎日の晩酌向きの特別純米酒として造られました。料理の味を邪魔せず、毎日飲んでも飲み飽きない、シンプルながら飲みやすい風味が特徴です。

特別純米酒を夕飯など料理と一緒に楽しみたい人におすすめの銘柄です。

 

まとめ

 特別純米酒とは「醸造アルコールを使わずお米と米こうじと水のみで造られる日本酒」です。

特別純米酒は主原料が水とお米なので、風味にお米の旨味や香りが出るという特徴があります。また、特別純米酒の中には特別な製法を用いられている銘柄もあり、そういった特別純米酒の場合は味や香りに特別感、つまり個性が出ます。

特別純米酒を選ぶときには、原材料であるお米の産地や製法に注目してみましょう。産地や製法の違いによる味わいを楽しめるでしょう。気になる銘柄を選び、ぜひ飲み比べて味や香りの違いを楽しんでください。

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