秋の日本酒「ひやおろし」とは?|特徴や秋におすすめの銘柄10選

秋の日本酒「ひやおろし」とは?おすすめの銘柄10選

最近は季節限定の日本酒が多数市販されています。日本酒好きなら一度は「ひやおろし」という言葉を耳にしたことがあるでしょう。ひやおろしは秋限定の日本酒で、適度な落ち着きとフレッシュ感が魅力です。

この記事ではおすすめの秋限定酒のほか、ひやおろしの特徴も解説します。サンマやきのこなど秋の味覚と相性がよい日本酒を探している人は、ぜひ参考にしてみてください。

おすすめの秋の日本酒10選

まずは、おすすめの秋の日本酒を10種類紹介します。おすすめの飲み方や味わいも解説しますので、気になるお酒があればぜひ味わってみてください。

雑賀 純米吟醸 雄町

蔵元 九重雑賀
造り 純米吟醸酒
産地 和歌山県
原料米 雄町
精米歩合 55%
日本酒度 非公表
酸度 非公表
味わい 雄町らしいふくよかな味わい
香り 華やかで上品な吟醸酒らしい香り
おすすめの飲み方 冷酒・常温・ぬる燗

「雑賀 純米吟醸 雄町」は、国産の雄町米を使って造られた日本酒です。雄町米らしい豊かな米の旨みが感じられます。少し冷やすとすっきりした味わいになるので、脂の乗ったサバの押し寿司などと相性がよいでしょう。

ぬる燗で楽しむ場合は、サンマの塩焼きなどと合わせるのがおすすめです。

 

陸奥八仙 緑ラベル 特別純米

蔵元 八戸酒造
造り 特別純米酒
産地 青森県
原料米 青森県産米
精米歩合 60%
日本酒度 +1
酸度 1.5
味わい 甘辛苦渋のバランスがよいまろやかな味わい
香り もぎたてのフルーツを思わせるジューシーな香り
おすすめの飲み方 冷酒・常温・ぬる燗

「陸奥八仙 緑ラベル 特別純米」は冬に仕込んだ日本酒を一度火入れして、半年間熟成させた特別純米酒です。熟成させたことで新酒よりもまろやかな味わいに変化しています。

口に含むと、完熟のフルーツを丸かじりしたようなジューシーな香りが感じられるのもポイントです。

バランスがよくキレがある味わいなので、ナスの浅漬けなどのさっぱりした料理から、焼き鳥のような濃い味の料理まで合わせるものを選びません。

 

大嶺3粒 ひやおろし 雄町

蔵元 大嶺酒造
造り
産地 山口県
原料米 雄町
精米歩合 50%
日本酒度 非公表
酸度 非公表
味わい ジューシーな甘さが特徴的な味わい
香り 黄桃やライチなどトロピカルフルーツを思わせる香り
おすすめの飲み方 冷酒

「大嶺3粒 ひやおろし 雄町」は、アルコール度数が13度と一般的な日本酒に比べて低アルコールな日本酒です。黄桃やライチなどのトロピカルフルーツを思わせる甘い香りが特徴的で、口に入れるとネクターのようなとろみが感じられます。特に香りがよい日本酒なので、ワイングラスで味わうのがおすすめです。

ブルーチーズや鴨肉のローストなど、ぜひ洋風のおつまみと合わせてみてください。

雪の茅舎 純米吟醸 ひやおろし

蔵元 齋彌酒造店
造り 純米吟醸酒
産地 秋田県
原料米 山田錦・酒こまち
精米歩合 55%
日本酒度 非公表
酸度 非公表
味わい 透明感のあるクリアな味わい
香り 上品で穏やかな香り
おすすめの飲み方 常温・ぬる燗

「雪の茅舎 純米吟醸 ひやおろし」は秋田県の酒米「酒こまち」と、酒米の王様「山田錦」を使用した純米吟醸です。ひやおろしはしっかりとした豊潤な味わいのものが一般的ですが、それとはまったく異なる味わいが楽しめます。

香りは控えめで、味わいもクリアで軽快なため、素材の持ち味を生かした料理と合わせるのがおすすめです。

秋とんぼ 生酛純米 雄町

蔵元 泉橋酒造
造り 純米酒
産地 神奈川県
原料米 雄町
精米歩合 65%
日本酒度 非公表
酸度 非公表
味わい 栗やアーモンドのようなコクが感じられる味わい
香り 炊きたてのごはんを思わせるふくよかな香り
おすすめの飲み方 冷酒・常温・上燗・熱燗

「秋とんぼ 生酛純米 雄町」は、生酛仕込みで造られた純米酒です。栗やアーモンドを思わせる香ばしさとまろやかさが感じられます。少し冷やした状態や常温でもおいしく飲めますが、生酛らしい力強い味わいが引き立つのは燗酒です。45~55℃に温めると、香りも味わいも一気に膨らみます。

カツオのたたきや赤身肉のステーキなど、濃い味の料理とあわせても負けないだけの力強さがある1本です。

天狗舞 山廃純米 ひやおろし

蔵元 車多酒造
造り 純米酒
産地 石川県
原料米 五百万石
精米歩合 60%
日本酒度 +3
酸度 1.8
味わい 山廃酒らしいしっかりとした味わい
香り 濃厚で豊潤な香り
おすすめの飲み方 冷酒・常温・ぬる燗

「天狗舞 山廃純米ひやおろし」は山廃仕込みで造られた飲みごたえのあるひやおろしです。山廃特有のクリーミーな酸味と、濃厚な旨みが感じられます。しっかりした酒質なので、合わせる料理もできるだけ濃い味のものがおすすめです。

甘辛い照り焼きや味噌田楽のほか、チーズをたっぷり使った料理とも相性がよいでしょう。

 

一ノ蔵 特別純米酒 ひやおろし

蔵元 一ノ蔵
造り 特別純米酒
産地 宮城県
原料米 蔵の華
精米歩合 60%
日本酒度 -1〜+1
酸度 非公表
味わい 口当たりがやわらかい軽やかな味わい
香り みずみずしいマスカットを思わせる香り
おすすめの飲み方 冷酒

「一ノ蔵 特別純米酒 ひやおろし」は宮城県の酒米「蔵の華」を使って、ひやおろしのためだけに仕込まれた特別な純米酒です。ふくらみのある豊かな味わいと軽やかな飲み口が特徴で、原酒でありながら飲みにくさはありません。

サンマやきのこといった秋の味覚はもちろん、クリームやチーズを使った料理とも相性がよいです。適度な苦みとキレがあるので、コクのある料理と合わせると互いのおいしさが引き立ちます。

 

作 ひやおろし 純米吟醸

蔵元 清水清三郎商店
造り 純米吟醸酒
産地 三重県
原料米 山田錦
精米歩合 55%
日本酒度 非公表
酸度 非公表
味わい かすかな清涼感も感じられるまろやかな味わい
香り 干し草を思わせる落ち着いた香ばしい香り
おすすめの飲み方 冷酒

「作 ひやおろし 純米吟醸」は、作唯一の熟成酒です。ひと夏ゆっくり寝かせたことで、しぼりたてのころの香りは落ち着き、かすかな香ばしさも感じられます。口当たりはやわらかく、のどごしもスムーズです。

ワイングラスなど香りが立つグラスに注いで、煮びたしや白身魚の西京焼きなど素材のよさが感じられるシンプルな料理と合わせるとよいでしょう。

白鶴 本醸造 ひやおろし 山田錦

蔵元 白鶴酒造
造り 本醸造
産地 兵庫県
原料米 山田錦
精米歩合 70%
日本酒度 +3
酸度 1.5
味わい 上品なコクが感じられるまろやかな味わい
香り 本醸造らしいさっぱりとした香り
おすすめの飲み方 ぬる燗

「白鶴 本醸造 ひやおろし 山田錦」は、バランスがよくキレのある味わいが特徴の本醸造酒です。ひと夏寝かせたことで口当たりがやわらかくなり、上品なコクも増しました。少し温めると、香りが立ち、米の旨みやコクがさらに感じられるようになります。

きのこやカツオなど秋の味覚全般と相性がよいですが、特にサンマの塩焼きと合わせるのがおすすめです。

 

栗駒山 特別純米酒 ひやおろし

蔵元 千田酒造
造り 特別純米酒
産地 宮城県
原料米 ササニシキ
精米歩合 55%
日本酒度 +2
酸度 2.0
味わい 雑味のないクリアな味わい
香り 柑橘系の穏やかな香り
おすすめの飲み方 冷酒

「栗駒山 特別純米酒 ひやおろし」は、もろみに圧力をかけず、自重で落ちてきたしずくを集めた純米酒です。雑味のないクリアな味わいとやさしいのどごしが特徴で、口に入れるとじんわりと旨みが広がります。適度にコク・キレもあるため、しっかりとした味わいの秋の味覚とあわせても負けません。

カツオのたたきや里芋の田楽などと合わせるのがおすすめです。

秋の日本酒の特徴は?

秋の日本酒は、春・夏の日本酒より飲みごたえがあるのが特徴です。強い旨みと深いコクがあるため、味の濃い料理とよく合います。日本酒は、11月頃から新酒の出荷が始まります。ひやおろしは、そのとき搾った新酒を半年以上熟成させた状態で出荷するものです。

日本酒は、熟成が進むにつれ味と香りが落ち着いて、驚くほど印象が変わります。そのため、熟成中に新酒のフレッシュな味と香りが落ち着いてまったく異なる味と香りに変化します。

春・夏の日本酒がフレッシュで若々しい印象だとすると、秋の日本酒はしっとりとした落ち着きを感じさせる大人っぽい印象です。

冷やせばすっきりとした味わいが、少し温度を上げればまったりとした旨みが感じられるので、温度を変えて様々な楽しみ方ができるのも魅力です。

秋に味わいたい日本酒「ひやおろし」

秋に味わいたい日本酒「ひやおろし」の特徴を解説します。ひやおろしという名前と共に「しぼりたて」や「秋あがり」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。それぞれの違いは次のとおりです。

ひやおろし 瓶詰前に1回だけ火入れをして、夏の間熟成させた日本酒
しぼりたて 搾って時間を置かずに出荷される日本酒
秋あがり 夏の間熟成させて、秋口に飲み頃を迎えた日本酒

「ひやおろし」とは

「ひやおろし」とは、春先に搾った日本酒に1回だけ火入れを行い、夏の間熟成させたものをいいます。火入れとは、日本酒を加熱して酵母の働きを止めたり、殺菌したりする工程です。通常、瓶詰前と瓶詰後の2回火入れが行われます。

ひやおろしは、あえて火入れを瓶詰前の1回だけにしているため、生酒らしいフレッシュさも味わえるのが特徴です。

「ひやおろし」の名前の由来

「ひやおろし」の名前は、日本酒が酒屋に卸される際の温度に由来するといわれています。江戸時代、ひやおろしは常温(冷や)の状態で酒屋に卸されていました。そこから「冷や卸し(ひやおろし)」の名前が付いたとされています。

 「ひやおろし」は「しぼりたて」とは別もの?

春先に搾った日本酒を夏の間熟成させた「ひやおろし」と、搾ったばかりの日本酒である「しぼりたて」は別物です。しぼりたては、もろみを搾ってから時間を置かずに出荷されます。そのため、ひやおろしに比べると香りも華やかで、甘酸っぱいフレッシュな味わいです。「しぼりたて」と名前の付くお酒は、多くが冬に出荷されます。仕込みが早い蔵では秋のお酒として「しぼりたて」を提供することもありますが、数は多くありません。

日本酒は熟成させることで香りが落ち着き、味わいもまろやかになります。

同じタンクで仕込まれた日本酒でも、ひと夏寝かせたかどうかで驚くほど味わいが変わるので、ひやおろしとしぼりたてを飲み比べてみるのもおもしろいでしょう。

「ひやおろし」と「秋あがり」の違いとは?

「ひやおろし」と「秋あがり」は、それぞれ指すものが違います。ひやおろしは、常温(冷やの状態)で出荷する出荷方法のことです。一方「秋あがり」は、ひと夏熟成させて秋口に飲み頃になった日本酒の状態を指します。

ひやおろし・秋あがりともに法律で決められた定義はないため、違いはとても曖昧です。

混乱を防ぐため「秋酒」という名称で呼ばれることも増えています。

秋の日本酒「ひやおろし」の3つの種類

秋のお酒はすべて「ひやおろし」と思われがちですが、ひやおろしは出荷時期によって3種類に分けられます。それぞれ味の特徴やおいしく飲める温度が異なるので、購入前に違いを押さえておきましょう。

夏越し酒

暑さがまだ残る9月に出荷されるのが「夏越し酒」です。ひと夏寝かせたことで香りや味わいは少し落ち着いていますが、まだ夏酒らしいフレッシュな味わいも残っています。

さっぱり・すっきりとした味わいのお酒が多いので、しっかり冷やして飲むのがおすすめです。凍る直前まで冷やしてみぞれ酒にすれば、夏の暑さでバテた体もリフレッシュできるでしょう。

浅漬けや冷奴、夏野菜の煮びたしといった素材の持ち味を生かした料理に合わせるのがおすすめです。

秋出し一番酒

「秋出し一番酒」は10月に出荷されるひやおろしです。熟成がさらに進むことで香りが少し落ち着く一方、豊かな旨みと深いコクが前面に出てきます。

3種類のひやおろしの中で最も味のバランスがよいため、合わせる料理を選ばないのもポイントです。

冷たいままで飲みにくい場合は、人肌程度に温めると口当たりがやわらかくなり、飲みやすくなるでしょう。

晩秋旨酒

ぐっと気温が冷えて霜も降り始める11月になると「晩秋旨酒」の出荷が始まります。

晩秋旨酒はひやおろしのなかで最も遅く出荷される日本酒で、飲みごたえのある豊かな味わいが特徴です。どっしりとした落ち着きも感じられるため、燗をつけて少し温度を上げると飲みやすくなります。しっかりとした旨みがあるお酒なので、味の濃い赤身肉やチーズと合わせて楽しんでみましょう。ウォッシュチーズのような少しクセのあるチーズと合わせるのがおすすめです。

秋の日本酒「ひやおろし」の味わい方

ここからは、ひやおろしの味わい方をご紹介します。

冷酒や常温で楽しむ

ひやおろしは、夏の日本酒と違って深いコクと旨みが感じられるのが特徴です。よく冷やして味わうよりも、常温あるいは軽く冷やして楽しむと、米本来のふくよかな味わいとすっきり感のどちらも味わえるでしょう。

冷酒や常温で楽しむ場合は、脂の乗ったサンマや香り豊かなきのこなどと合わせるのがおすすめです。

すっきりとしたひやおろしが口の中をさっぱりさせてくれるので、より秋の味覚がおいしく感じられます。

燗酒で楽しむ

ゆったり時間をかけて楽しみたいなら、燗をつけるのもおすすめです。熱燗よりも、人肌より少し温かい「ぬる燗」や50度前後の熱燗にすると甘さと香りが引き立ちます。

気温が下がってきた晩秋は、燗酒が格別においしく感じられる季節です。炙ったスルメやえいひれなどのシンプルなおつまみを食べながら、じっくり燗酒を味わってみてください。

秋の日本酒「ひやおろし」の保管方法

ひやおろしを保管する際は、できるだけ涼しく、直射日光の当たらない場所で保管しましょう。

ひやおろしのお酒は、1度だけ火入れしたものが一般的です。

通常は瓶詰めする前と後の2回行いますが、ひやおろしは1回しか火入れしていないため味が変わりやすいといわれています。開栓するとどんどん味が変わるので、早めに飲みきるようにしましょう。

購入したひやおろしを短期間で飲みきれない場合は、ミネラルウォーターのペットボトルに移し替えて保存するという方法もあります。できるだけギリギリまで日本酒を入れて、できるだけ空気に触れさせずに保存すると、味が変わりにくいです。

秋の日本酒に関するよくある質問【Q&A】

秋の日本酒に関するよくある質問をまとめました。秋の日本酒を購入する際の参考にしてみてください。

秋の日本酒を贈り物にしたい場合の注意点は?

秋の日本酒を贈り物にしたい場合は、できるだけ化粧箱に入ったものを選ぶとよいでしょう。のしや包装などにもこだわれば、立派なギフトになります。よく晩酌をする人には一升瓶を贈っても構いませんが、保管しやすい四合瓶がおすすめです。

180~300mlの小瓶がセットになったものも、様々な味が楽しめることから喜ばれます。

日本酒初心者でまだ自分の好みがはっきりしていない場合におすすめなのは?

日本酒初心者でまだ自分の好みがわからない場合は、利き酒セットや飲み比べセットなどで様々な日本酒を味わってみましょう。

日本酒の好みは人それぞれです。また、料理との組み合わせでも味が大きく変わります。

様々なタイプの日本酒を味わってみて、少しずつ好きな日本酒の特徴を探していくとよいでしょう。

日本酒の「甘口」「辛口」とは?

日本酒の「甘口」「辛口」は、日本酒度で表されます。±0を基準に、マイナスの値が大きくなればなるほど甘口、プラスの値が大きくなればなるほど辛口です。

甘口の日本酒は、一般的に余韻が長く続くとされています。反対に辛口の日本酒は余韻が短くキレがよいのが特徴です。

ただし、日本酒の味わいは日本酒度(甘辛)だけでなく、アミノ酸度や酸度、酒米や酵母の種類によっても変わるため、日本酒度はあくまでも参考です。

まとめ

サンマやきのこ、戻りガツオなど秋の味覚には、ひやおろしや秋あがりといった秋のお酒を合わせるのがおすすめです。

秋酒は、穏やかな旨み・香りが特徴ですが、生酒のようなフレッシュ感も味わえます。出荷される時期でも味が異なるので、飲み比べてみるのも楽しいでしょう。

ひやおろしに代表される秋のお酒は、飲み頃の温度帯も広いので、冷やだけでなく常温や燗でも味わってみてください。

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